[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立研究機構(ANR)
元記事公開日:
2019/02/11
抄訳記事公開日:
2019/04/17

オープンサイエンス:「プランS 実施ガイドライン」に関する公開諮問に対するANRの回答

Science ouverte : la réponse de l’ANR à la consultation publique sur le guide d’application du Plan S

本文:

2019年2月11日付国立研究機構(ANR)の標記発表の概要は以下のとおり。

ANR は、2018年11月末にcOAlition S(研究助成機関の国際的コンソーシアム)によって開始された「プランS実施ガイドライン」に関する公開諮問に回答した。この諮問は、ガイドラインに欠けている点を明確にし、特定することを目的としており、より透明で、効率的でかつ公正な学術出版モデルのために、プランSの規定の実施方法を定めている。

ANRの回答は、主にオープンサイエンス委員会の回答に基づいているが、ファンディング機関としての観点を補完している。

ANRは、書誌多様性(bibliodiversity)を支持するフランスの立場を維持しながら、フランスにおける「プランS」の実施を担当している。

● ANRによる標記回答の概要

1) 実施ガイドラインにおいて、十分に明確ではない点、又はカバーされていない問題

  • プランS の段階的実施について
    現在のスケジュールでは、そのような短期間で必要とされる技術的要件を満たす手段を持たない多くの出版・アーカイブ・プラットフォームは除外される可能性がある。
  • CC-BYとライセンス提供について
    CC-BY 又は CC-BY-SA オープンライセンスの下での広範な流通が優先されるべきである。ただし、CC-BY-NC ライセンスを短期間受け入れて、cOAlitionメンバーに十分な準備時間を与えることは有用である。
  • 技術的制約について
    ジャーナル・プラットフォームよりもオープン・リポジトリに対してより多くの技術的制約を課すことは、一貫性がない。
  • フルテキストを XML-JATS で利用可能にすることについて
    ネイティブファイルの技術的な編集や出版社からの契約上の検索等について、予定表と手順を作成する必要がある。

2) 研究成果の完全かつ即時のオープンアクセス拡大に向けて、ファンディング機関が考慮すべき他のメカニズム又は他の要件

  • オープン引用について
    I4OC規格に準拠した引用データのオープン利用可能性は、追加の品質基準(9.3)ではなく、雑誌およびプラットフォームの必須の品質基準(9.2)に含まれるべきである。
  • Coalition S は、加盟各国への制約をより深く理解するために、著作権、ライセンス、権利保持に関する現行法について調査を行うべきである。

(注)プランSは2018年9月に立ち上げられた、オープン・アクセス出版のためのイニシアチブである

[DW編集局+JSTパリ事務所]