[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立科学財団(NSF)
元記事公開日:
2019/02/14
抄訳記事公開日:
2019/04/17

NSFがレーザー干渉計重力波観測施設(LIGO)の改良に2,040万ドルを支援

Upgraded LIGO to search for universe’s most extreme events

本文:

2月14日付の国立科学財団(NSF)による標記報道発表の概要は以下のとおりである。

NSFは、これまで40年間にわたり10億ドル以上を投資してきたレーザー干渉計重力波観測施設(Laser Interferometer Gravitational-Wave Observatory, LIGO)を改良するため、カリフォルニア工科大学(Caltech)とマサチューセッツ工科大学(MIT)に2,040万ドルを支援する。

「高度化LIGOプラス」(Advanced LIGO Plus, ALIGO+)プロジェクトは、協力協定を通して資金支援を受け、本観測施設が調べることができる深宇宙空間を7倍まで拡大する。この投資は、追加資金を提供する英国研究・イノベーション機構(UKRI)および豪州研究会議(ARC)との国際協力の一環である。ALIGO+の運用は2024年に始まる見込みである。

NSFのコルドバ(Córdova)長官は声明の中で次のように述べている。
「この資金支援は、2015年に史上初の重力波検出を達成したNSFの2つのLIGO観測施設が次の10年も重力波科学をリードすることを確実にする。レーザー光を改良する量子力学の技術と新たな鏡面コーティング技術を含む、検出器の改良により、2つの観測施設は検出の数と強度を著しく向上させる。ALIGO+は、宇宙の最も極限的な環境において、最高強度の重力と最高密度の物質を明らかにするだろう。それらの検出は、超新星の内部の秘密を明らかにし、宇宙誕生後の数秒間の極限物理について教えてくれる可能性がある。」

UKRI最高責任者のウォルポート卿(Sir Mark Walport)は声明の中で次のように述べている。

「重力波の存在を確認することによって、LIGOプロジェクトは宇宙の仕組みについてユニークな洞察をもたらし、科学に対する世界的な関心を喚起した。ノーベル賞を受賞したこのプロジェクトは、研究における国際協力の重要性も明らかにした。英国の技術的・科学的専門能力はALIGO+において重要な役割を果たし続ける。英国によるALIGO+への投資と、インドにおける3番目の検出器への支援は、既存の研究・イノベーションのプログラムにおけるパートナーとの協力を発展させようとする英国のコミットメントを示すものである。」

[DW編集局+JSTワシントン事務所]