[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立研究機構(ANR)
元記事公開日:
2019/02/14
抄訳記事公開日:
2019/04/22

ASTRID および ASTRID Maturation プログラムの目的、成果に対する支援、波及効果について

L’essentiel sur les programmes ASTRID et ASTRID Maturation en 3 questions

本文:

2019年2月14日付国立研究機構(ANR)の標記発表の概要は以下のとおり。

ASTRIDおよびASTRID Maturationプログラムでは、民生・軍事両分野に潜在的な波及効果をもたらす研究プロジェクトや民生・軍事間のデュアルユースを目指した研究の成熟化を支援している。軍事技術総局(DGA)傘下の国防イノベーション庁(AID)が全ての資金支援を行い、ANRがその実行に当たる。2019年版のASTRIDプログラムの完了まであと数週間となっているが、これらの公募とその利点について以下に簡単に記す。

● ASTRIDプログラムの目的

ASTRID(国防研究・イノベーション業務特別支援)プログラムは、新たな研究の道を拓き、国防、民間研究、産業界で応用可能な科学的・技術的なブレークスルーの促進を目的とする。基本原理の観察や記述から実験室環境での検証に至るまで、技術成熟度レベル(TRL:Technology Readiness Level)が1から4の間のプロジェクトを支援する。2011年のプログラム開始以来、255件のASTRIDプロジェクトが採択され、科学的テーマと学際的な優先課題を幅広く網羅している。

● ASTRIDプロジェクトの成果に対する支援

ASTRID プログラムによって得られた研究結果は、2013年に創設されたASTRID Maturationプログラムにより、成果を技術移転することが可能である。ASTRID MaturationプログラムはDGAが提案した研究支援機関において達成された業績の技術移転を目的としている。プロジェクトのTRL目標は5以上でなければならない。特に典型的な環境下で技術実証をおこなう場合、潜在的な産業パートナーが成果の技術移転に貢献することを奨励する狙いがある。企業、中小企業パートナーの参加が不可欠である。ASTRIDプロジェクトの一連の成果は、2年連続でASTRID Maturationの対象となる。2011年、2012年、2013年のASTRIDプロジェクトの約19%が、ASTRID Maturationの資金支援を受けている。

● 波及効果

ASTRIDおよびASTRID Maturationプログラムは、研究室と産業の間あるいは組織環境間の連係の発展につながり、将来の応用に向けたイノベーションを促進する。また、産業プレイヤーによって検証可能な興味深い波及効果を有するテーマに関して、提携関係を推進することも可能である。

2011年以降、フランス全土で200以上の異なる研究ユニット(公的研究機関の研究ユニット、理工系グランド・ゼコールの研究ユニット又は部門、大学又は研究機関)が、ASTRID又はASTRID Maturationのファンディングを受けている。

※各プログラムに関する主要な実績

  • ASTRID
    –採択されたプロジェクトの参加機関の76%が研究機関で、21%が企業(中堅・中小)
    –40%以上のプロジェクトがそのコンソーシアムに企業を含めている
    –プロジェクトあたりの参加機関は平均3機関
    –平均採択率は24%(2011~2018)
  • ASTRID Maturation
    –採択されたプロジェクトの参加機関の48%が研究機関であり、51%が企業
    –平均採択率は48%(2013~2018)

[DW編集局+JSTパリ事務所]