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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2019/02/27
- 抄訳記事公開日:
- 2019/04/26
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BMBFが「生物多様性維持に関する研究イニシアチブ」を発表
- 本文:
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連邦教育研究省(BMBF)は生物多様性の維持に関する新たな研究イニシアチブをスタートさせる。これに関して概略下記のような報道発表を行った。
2月27日カルリチェク大臣はBMBFの新たな「生物多様性維持に関する研究イニシアチブ」を発表。これは生物多様性領域における研究を大きく前進させ、ドイツの研究活動をより強く結束し、生物多様性の止まらぬ損失を抑えるために持続的に寄与するものである。
大臣は「生物多様性は我々の生活基盤である。自然なくして、植物および動物なくして、我々はこの地球上に存在できない。種の損失は人間にとって脅威であり、このことがドイツの人々を動かしている。生物多様性を保護するために個々の種の状況に関して優れた知識ベースを構築することができる。重要なのはこうした知識を結集し、拡大させ、種の損失の関連性をさらに詳細に調査することである。新たな研究イニシアチブでは、研究者は政界、経済界のリーダーや、消費者、市民と共に、生物多様性を保護するために持続的解決策を生み出していく」と語った。
生物多様性の損失はここ数十年憂慮される状態となっている。専門家の評価では、動植物種の絶滅率は、進化による数値の100倍から10,000倍とされる。ドイツでは野生植物のほぼ1/3が絶滅の危機に晒されている。その中には例えばアルニカ(Arnica)やムギセンノウ(Corn cockle)も含まれている。特に被害の多いのは鳥類および昆虫類、特に野生のミツバチ種である。1980年以降、EUにおける野生の鳥類は半分以下になっている。種の多様性の損失は今日脅威として軽視されており、気候変動と同様に緊急の問題となっている。国家的そして国際的な多様な努力にもかかわらず、この負の傾向は抑えられていない。その理由は著しい知識の欠陥である。種の損失の原因の多くは確かに知られている。生活圏の損失、気候変動、天然資源の過剰消費等もそれに含まれる。しかし、これら原因の複雑な相互作用と種の減少の全体的な規模に関する知識は不完全である。
研究は種の損失がクリティカルな閾値を超える前に、こうした理解および措置の隙間を埋めるべきものである。このためドイツは既に国際的なレベルの生物多様性に関する協定に加盟している。今回の新たな研究イニシアチブは革新的な技術を開発しながら、生物多様性に関する現状把握を加速させていくものである。加えて、生物多様性変化のシステムについての理解を深め、ユーザーとの対話で効果的な行動オプションを開発していく。
BMBFは「生物多様性維持に関する研究イニシアチブ」のため、今後数年間に2億ユーロを投資する。このイニシアチブはBMBFの持続的発展研究基本計画(FONA)の一環であり、連邦政府の生物多様性に関する国家戦略(NBS)およびハイテク戦略2025に寄与するものである。
[DW編集局]