[本文]

国名:
米国
公開機関:
国防高等研究計画局(DARPA)
元記事公開日:
2019/02/27
抄訳記事公開日:
2019/05/07
元記事の言語:
英語

DARPAが量子情報処理の新たなプログラムを開始

Taking the Next Step in Quantum Information Processing

本文:

2月27日付けの国防高等研究計画局(DARPA)による標記記事の概要は以下のとおりである。

何百万もの量子ビット(q-bit)を取り扱うユニバーサル量子コンピュータは、商用および軍事用の情報処理に革命をもたらすといわれている。しかし、その実現にはまだ数十年かかるだろう。問題となるのは、量子デバイスの性能と信頼性が、その量子状態がコヒーレントである時間の長さに依存することである。多くの場合、このコヒーレントである時間はかなり短く、意味のある計算を実行することが困難である。

完全な耐故障性量子コンピュータが出現する前に量子情報処理を活用するために、DARPAは本日、NISQ量子デバイス(小規模で誤り訂正がない近似的量子デバイス)による最適化(ONISQ:Optimization with Noisy Intermediate-Scale Quantum devices)プログラムの開始を公表した。本プログラムは、「組合せ最適化」として知られている特に困難な問題を解決するために、中規模の量子デバイスと古典的なシステムと組み合わせたハイブリッドシステムを探求するものである。ONISQは、最適化の課題を解決するために古典的システムの性能を飛躍的に向上させて、量子情報処理の量的な利点を実証するものである。今プログラムの公募説明会は、2019年3月19日にバージニア州アーリントンで開催される。

「組合せ最適化」問題の解決は、軍にとって大きな関心事である。潜在的な用途として、商業物流会社が依存するインフラが存在しない厳しい地域におけるスケジューリング、ルーティング、そして、サプライチェーン管理を含む、軍の複雑な世界規模の物流システムの強化がある。また、ONISQの成果は、機械学習、コーディング理論、電子加工、タンパク質のフォールディングにも影響を与える可能性がある。

ONISQに関与する研究者は、より長いコヒーレンス時間と改善されたノイズ制御を備えた、数百から数千の量子ビットまで拡張可能な量子システムの開発を担当することになる。また、ノイズの多い中規模量子デバイス上で量子最適化アルゴリズムを効率的に実装し、量子リソースと古典的リソースの割り当てを最適化することが求められる。さらに、古典的アプローチと量子的アプローチを定量的に比較するベンチマーキングを行い、量子情報処理が最も大きい影響を及ぼす可能性が高い「組合せ最適化」における問題のクラスを識別する。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]