[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
元記事公開日:
2019/03/05
抄訳記事公開日:
2019/05/13

インテリジェンス分析推進のための社会・行動科学研究アジェンダに関するNASEMの報告書

New Decadal Survey for the Social and Behavioral Sciences Presents Guidance to the Intelligence Community

本文:

3月5日付の全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)による標記報道発表の概要は以下のとおりである。

社会・行動科学(Social and Behavioral Sciences, SBS)は、人間は、何を、どのように、どうして行うのかということについての理解を求める、米国のインテリジェンス・コミュニティ(IC)のミッションに対し、本質的な貢献をすると報告書は言う。報告書「社会・行動科学の10年調査:インテリジェンス分析を進展させるための研究アジェンダ」(A Decadal Survey of the Social and Behavioral Sciences: A Research Agenda for Advancing Intelligence Analysis)は、ICが次の10年間の研究の目的を策定する際、SBSの研究者との継続的な協力を最優先するよう勧告する。

報告書は、10年間の研究アジェンダの策定のガイダンスを提供するとともに、SBS研究がインテリジェンス分析を強化できる重要な機会を明らかにしている。SBS研究の統合は、ICがインテリジェンス分析を支える技術進歩を活用するとともに、世界中の技術を基盤とする活動やコミュニケーションから派生する新しいリスクに備えることに役立つ。目的達成型で学際的な研究は、より強力なインテリジェンス評価の可能性、ヒトによる利用やマン・マシン相互作用のために最適に設計されたツールと技術、そして進化するセキュリティ上の脅威に立ち向かう最適の準備を提供する。

SBS研究の利益を活かすには、ICは長年のビジネスの仕方を変えて、SBS研究を促進するとともに、そのような研究の実施とその成果の応用をインテリジェンス分析に統合するための系統的なアプローチを開発する必要があるかもしれない。加えて、倫理上の問題が研究のあらゆる段階で発生する可能性がある。いくつかの問題に関する基準、特に大規模デジタルデータの利用に関する基準は発展途上であり、また状況に依存する。

SBS分野の研究者はICとの協力の機会から利益を得てきており、インテリジェンス収集に関連する多種多様なトピックについて研究している。今回の調査はこのような文脈から初めて行われたもので、SBS研究者の知見とアイデアがICのニーズと目的に完全に統合されるよう、学際的な協力の促進方法が強調されている。本調査は国家情報長官室により助成されている。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]