[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2019/03/21
抄訳記事公開日:
2019/05/21

量子イメージングおよび量子センサーに関する戦略的イニシアチブを立ち上げ

Die Quantenwelt verstehen – und wirtschaftlich nutzen

本文:

連邦教育研究省(BMBF)はフラウンホーファー協会(FhG)と共に量子イメージングおよび量子センサーに関する戦略的イニシアチブをスタートさせることとし、概略下記のような報道発表を行った。

BMBFとFhGは量子研究による知識を急速に応用へとつなげることを、研究イニシアチブの目標としている。約3.000万ユーロが用意され、このうち80%(2,400万ユーロ)はBMBFの予算から負担される。残りはバーデン・ヴュルテンベルク州を初めとする連邦州からで、特別予算として500万ユーロが拠出される。

カルリチェクBMBF大臣は、「ドイツは量子技術がもたらすチャンスを利用し、その開発を積極的に推進する。そのために連邦政府としては2018年9月に発表した量子技術基本計画に基づいて前提条件を整備する。原子、電子、光子といった粒子による量子力学の技術的な克服は、高精細画像による診断の大幅な改善のように非常に大きなポテンシャルを秘めている。研究と産業とのネットワークを強化することによって、将来これらのポテンシャルを活用できるようにしていきたい。量子をベースとしたイメージングやセンサー技術と並び量子コミュニケーションや量子コンピュータに関するパイロットプロジェクトを計画している。重要な量子技術の未来へ大きなステップを踏み出すことになる」と強調した。

ドイツは第一世代量子技術および量子物理に強く、連邦政府としてはこの強みを利用したい。このため2018年9月に基本計画「量子技術 - 基礎から市場へ」を決定した。

これを基盤として今、BMBFおよびフラウンホーファー協会(FhG)による量子イメージングおよび量子センサーに関する戦略イニシアチブがスタートする。合計11のフラウンホーファー研究所が活動しており、さらなる知識を積み重ねて、産業界との密接な協力のために実用指向の技術を開発するという目標に取り組んでいる。

フラウンホーファー協会ノイゲバウアー(Neugebauer)会長は、将来の戦略的な指針として、「フラウンホーファーは量子技術をドイツと欧州が将来ハイテク拠点となる重要なチャンスであると考えている。BMBFと協力し、量子技術を集中的にまた強力に進めていく。長期にわたる研究から得られた貴重な知識を利用する時がきている。この特別な技術は、デジタル化がグローバルに進展する時代において、国際的競争力を持った産業の構築および自己決定社会の構築に向けての礎石となるものである」と語った。

[DW編集局]