[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立衛生研究所(NIH)
元記事公開日:
2019/03/13
抄訳記事公開日:
2019/05/24

NIHが生殖細胞系編集の臨床応用に関する国際モラトリアムを支持

NIH supports international moratorium on clinical application of germline editing

本文:

2019年3月13日付けの国立衛生研究所(NIH)による標記記事の概要は以下のとおりである。

NIHコリンズ(Francis S. Collins)所長はヒト生殖細胞系列を改変するための遺伝子編集の使用に関する国際的モラトリアムについての声明を発表した。その概要は次の通りである。

本日、7カ国からの優秀な科学者や倫理学者たちが、臨床目的のためにヒト生殖細胞系を改変する遺伝子編集の使用に関する国際的モラトリアムを要請した。本要請は、中国において、着床前のDNAの改変の後に双子が誕生したという無責任で非倫理的な研究を契機とするものである。この予想外の、歓迎されない新事実は、科学界と一般市民を混乱させ、そして国際的な原則を導く必要性を明確にした。人類の生物学的本質を改変する可能性に関する研究は、深刻な安全性、倫理的、そして哲学的問題を提起する。私は、2018年11月のこの事件に対するNIHの立場を表明した。

各国が国際的な指針を遵守して、そのような研究を進めるべきかどうか、またどのような条件下で進めるかを決定できるようになるまで、NIHは、国際的なモラトリアムを直ちに施行することに強く賛同するものである。NIHの科学政策局長キャリー・ウォリネッツ(Carrie Wolinetz)博士と私は、Nature誌への書簡で、モラトリアムの理由と国際的行動の必要性について概説した。

NIHは、この研究の利点とリスクについての実質的な議論を行うために、他の米国および国際的な連邦機関、保健および科学組織、患者コミュニティ、そして一般市民と協力することを希望している。この共通の関心が、生殖細胞系編集の臨床使用が人間の命を最大限尊重しながら行うことができるかどうか、またはその方法に関する将来の決定に対処するための賢明な枠組みをもたらすことを期待する。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]