[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
EU理事会
元記事公開日:
2019/03/27
抄訳記事公開日:
2019/05/29

次期研究・イノベーションプログラム枠組プログラムに関するEU合意

EU agreement on future research and innovation programme

本文:

2019年3月27日付EU理事会の標記報道発表の概要は以下のとおり。

欧州連合(EU)の次期研究・イノベーション枠組プログラムが具体化しつつある。欧州理事会の常任代表委員会の加盟国による大使会議は、理事会議長国(ルーマニア)と欧州議会との間で、2021年から2027年の次期研究・イノベーション枠組プログラムである”Horizon Europe”の運用規定の大部分について共通の理解が得られたことを確認した。。

Horizon Europeは、プログラムの目的と構造、プログラムへの資金支援の方法、そしてファンディングの提供に関する規則を定めている。本プログラムは補完的かつ相互に関連する3つの柱から成る。

  • 第1の柱「卓越した科学」は卓越した基礎科学を支援する。EUの科学的リーダーシップを強化し、質の高い知識・能力を開発する。
  • 第2の柱「グローバルチャレンジと欧州の産業競争力」は、医療、安全保障、デジタル技術・主要実現技術、気候、エネルギー、輸送、食料・天然資源などの分野における社会的課題と産業技術に取り組む研究を支援する。これらの分野と並行して、一定数の研究ミッションとパートナーシップが導入される予定である。どのミッションにも研究活動のポートフォリオが含まれる。
  • 第3の柱「革新的な欧州」は、欧州イノベーション会議を設立することにより、ブレークスルーと破壊的イノベーションの拡大に焦点を当てる。

上記3つの柱に加えて、参加拡大と欧州研究圏の強化を目的として、プログラムの成果向上を目的とした条項が設けてある。これには、加盟国が自国の研究・イノベーションの可能性を最大限に引き出せるように支援するための措置が含まれている。この規則では、参加拡大を目的とした活動から恩恵を受ける加盟国を指定している。

EU理事会と欧州議会との間の共通理解では、特定の条件下で、欧州イノベーション評議会が「助成金のみ」または「資本のみ」の支援を提供できることを規定している。ミッションについて合意された文面では、より詳細な条件を提示しているほか、ミッションやパートナーシップの対象となる可能性のある分野のリストも示している。研究・イノベーションの優先順位の決定においては、各加盟国が決定的な役割を果たすことが認められている。参加者数拡大に関する規定も強化される。

EUの次期複数年次財政枠組 (MFF)に関する全体的な合意が保留となっているため、上記共通理解は予算に関するいずれの規定も網羅してはいない。また、第三国の参加やEUの他のファンディング・プログラムとの相乗効果についての規定も含まれていない。詳細な規定の大部分は、欧州選挙後の新しい議会で行われる今後の交渉に委ねられる。

[DW編集局]