[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国家科学技術会議(NSTC)
元記事公開日:
2019/03/22
抄訳記事公開日:
2019/05/31

NSTCが水安全保障強化のための淡水化促進協調的戦略計画を発表

Coordinated Strategic Plan to Advance Desalination for Enhanced Water Security (*Executive Summary)

本文:

3月22日付けの国家科学技術会議(NSTC)による標記記事の概要は以下のとおりである。

NSTCが「水安全保障強化のための淡水化促進協調的戦略計画(Coordinated Strategic Plan to Advance Desalination for Enhanced Water Security)」(以下、「水戦略計画」)を発表した。そのエグゼクティブサマリーは以下のとおりである。

50州の内40州の水管理者が、今後10年間で州内での淡水不足を予想している。水不足が最も深刻に進行している州や地域の多くは、今後10年間で最も人口増加率が高いと予想される地域でもある。多くの場合、水供給事業者と水利用者の両方による節水努力は、需要を削減しつつ、水の安全保障を改善する最も費用対効果の高い方法である。農村部と都市部の繁栄、国家と経済の安全保障、そして、全米国人の健康を確保するために、きれいな飲料水へのアクセスを支援する技術の継続的な開発が必要である。「水戦略計画」は、将来の水需要のための水源としての淡水化技術の使用に係る課題と機会を提示している。

「水戦略計画」は、2016年の「国家のための水インフラ改善(WIIN:Water Infrastructure Improvements for the Nation)法」に基づくものである。 WIIN法に従い、複数の連邦機関が関与する「淡水化タスクフォース」が設立された。その目的は、淡水化の優先順位を設定し、関連する連邦機関を調整し、国際パートナーとの研究開発協力を強化し、そして淡水化技術分野における官民パートナーシップを促進することにある。

「水戦略計画」では、米国での淡水化支援事業の3つの包括的な目標を示しており、目標1及び2は、水安全保障を促進するために前述のタスクフォースによって特定された5つの研究開発優先事項を対象としており、目標3は、国際・官民協力を促進するための3事業を取り上げている。

目標1:淡水化支援のためのリスク軽減と地域計画の合理化
優先項目1:水資源と将来需要の評価
優先項目2:淡水化ツールとベストプラクティスの開発

目標2:淡水化技術の実用化に向けた技術的・経済的障壁の削減
優先項目3:初期段階の研究開発の奨励
優先項目4:小規模モジュール式淡水化システムの開発
優先項目5:生態学的影響の削減のための先進技術開発

目標3:淡水化技術を革新し開発するための国内外協力の促進
優先項目6:連邦機関間の協調の改善
優先項目7:官民パートナーシップの推進
優先項目8:国際的パートナーとの協力

[DW編集局+JSTワシントン事務所]