[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)
元記事公開日:
2019/04/03
抄訳記事公開日:
2019/06/06

「オープンサイエンスの展望」シンポジウムに寄せたフレデリック・ヴィダル大臣のメッセージ

Colloque "Prospective en science ouverte" : discours de Frédérique Vidal

本文:

2019年4月3日付高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)の標記発表から、フレデリック・ヴィダル大臣がシンポジウムに宛てたメッセージの概要を以下に記す。

知識の普及と研究心の保持という2つの基本的なミッションをこの500年果たしているこの場所においては、「オープンサイエンスの展望」というテーマは特に反響を呼ぶ。科学はすべての人に利益をもたらすべき共通の財産である。それは社会に奉仕するものであり、何よりも科学自体に奉仕するものである。

科学をオープンにすることは、さらに批判的な見方、反論、コメントにさらすことである。それら批判等は、HALのようなオープンアーカイブでは自然発生的に、あるいはオープンアクセスの査読付きジャーナルでは組織的に表明される。もしコストを削減するのが主題であるならば、ピア・レビューによる評価を節約するという問題ではなく、変わることのない原則の周りに公明正大な編集エコシステムを新たに作り出すということが主題なのである。

開かれた世界とは、規制を外した世界ではなく、構造を失った世界でもない。オープンサイエンス国家計画には明確で確固たる目標がある。公的資金の支援を受けた研究に基づく発表論文や書籍そして(規制が許す範囲で)データもすべて、今後オープンアクセスで公開する必要がある。しかしそれは習慣を揺るがすような義務を乱暴に課すことを目的としているのではなく、この新しいパラダイムへの適応、倫理的解決策の探求、編集システムの進化において、段階的に科学界を支援するものである。

オープンサイエンスは新しい科学的慣行を必要としている。「オープンサイエンス」のFlash公募が先ごろ国立研究機構(ANR)によって開始されたが、これは研究コミュニティが研究データを別の方法で管理し、構造化、再利用、相互運用性、つまり持続可能性について考察するのを支援するものである。

オープンサイエンスはまた、科学出版の(批判的・技術的)付加価値と科学の成果のアクセシビリティとを組み合わせた新しい編集慣行を前提としている。発明に関する科学出版の新しい経済モデルがあるが、このモデルは単一の解決策に基づくものではない。そのため、夏までにオープンサイエンス向けの国家基金が創設され、その後間もなくして、革新的な編集イニシアチブを奨励し、この書誌多様性を支援するための公募が開始される。

[DW編集局+JSTパリ事務所]