[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2019/04/11
抄訳記事公開日:
2019/06/13

WBGU報告:持続可能性の原動力としてのデジタル化の推進

WBGU Gutachten: Digitalisierung als Motor für Nachhaltigkeit

本文:

4月11日、連邦教育研究大臣および連邦環境大臣は「地球環境変化に関する科学諮問委員会」(WBGU)から新たな報告書「共通のデジタル未来」を受理した。これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。

上記報告書において、連邦政府の諮問委員会はデジタル化と持続可能性との関連性を分析し、政治的アクションや研究に関する勧告を展開している。勧告の中心は、デジタル化を利用して、支援策として役立てるような形で、持続可能性を実現していくことである。両大臣は持続可能な発展のためにデジタル化が持つチャンスやリスクに関する議論に大きく寄与するものとして歓迎している。

カルリチェク大臣談:「デジタル化は持続的発展および気候保護にとって大きなチャンスをもたらす。この分野における研究とイノベーションは、環境や気候の保護に弾みをつけ、またアイデアを与える重要な役割を担っている。今後数年間にこれらのテーマの推進を集中的に継続していけば、特にドイツは経済的な恩恵も受ける。進歩的な環境技術は今後世界的に求めらるようになるだろう。一般的には、エコロジーとエコノミーはなお一層融和させていかなければならない。教育も持続可能な発展にとって重要な要素である。『持続可能な発展に関する教育」のような優れた教育内容によって、幼い時から環境意識を伴った生活および行動のための基盤を創ることができる」。

シュルツェ連邦環境大臣談:「デジタル化はそれ自身が目的ではなく、持続可能性強化のための原動力となるべきものである。デジタル化は環境保護のための膨大なポテンシャルを秘めている。このポテンシャルを活用するために、適切な指針が必要であり、データの保護およびアクセス、天然資源の取扱いとその廃棄物処理、資源のサイクル等に関するものである。WBGU報告はこれについて重要な提言をしている。

連邦環境省(BMU)をデジタル化の持続可能な形成の推進者とし、現在、環境政策デジタル・アジェンダの策定、および環境や気候保護のためのAI活用を助成する計画を進めようとしている。またデジタル化および持続可能性というテーマを、ドイツがEU評議会議長国を務める2020年の重点としていく」。

BMBFは長年にわたり持続可能性に関する研究を進めており、2015年から20億ユーロの資金を提供している。デジタル化を中心的な手段し、生物多様性維持に関する研究イニシアチブにおいては、生物多様性を効果的に把握し、保護することができる。エネルギー転換のためのコペルニクス・プロジェクトにおいても、エネルギーシステムの転換のためにデジタル的、技術的、経済的な解決策を開発している。

BMUは今年のデジタル社会に関する見本市である、「re:publica 2019」のメインパートナーであり、ベルリンにおいて2019年5月6日から8日に開催される。BMUはそこで環境政策デジタルアジェンダに関する初めての重要な論文を発表し、見本市の残りの期間にフィードバックとアイデアを収集する。

連邦政府の地球環境変動に関する科学諮問委員会は、1992年の環境と開発に関する国連の会議(地球サミット、リオ)の前に、連邦政府によって、独立した科学委員会として設けられた。WBGUについてはBMBFおよびBMUが共同で担当し、資金負担をしている。

[DW編集局]