[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
米国航空宇宙局(NASA)
元記事公開日:
2019/04/10
抄訳記事公開日:
2019/06/13

NASAが18の革新的な宇宙技術概念の研究に資金を提供

NASA Invests in 18 Potentially Revolutionary Space Tech Concepts

本文:

2019年4月10日付けの米国航空宇宙局(NASA)による標記記事の概要は以下のとおりである。

スマート宇宙服やソーラーサーフィンはSFのように聞こえるが、それらはNASAが更なる研究のために革新的先進概念(NIAC:NASA Innovative Advanced Concepts)プログラムの一環として選択した2つの技術概念である。本プログラムは、初期技術の実現可能性を検証する18の研究に資金提供するもので、これらの技術は宇宙空間でできる事を拡げる可能性を持つものである。

最新のNIACには、フェーズIとフェーズIIがあり、このうちフェーズI研究は広範囲のイノベーションを網羅し、採択研究者は9ヶ月にわたり、提供された約12万5,000ドルを用いて、提案概念を定義し分析する。このフェーズIでの最初の実現可能性研究に成功した場合、採択研究者はフェーズIIを申請することができる。

新規に採択されたフェーズIの研究は次のとおりである。
1.極限環境と帯状探査のためのバイオインスパイアードレイ(BREEZE)
2.長期金星表面ミッションのためのパワービーミング
3.スマート宇宙服:ソフトロボティクス、自己治癒能およびデータ収集能を備えた知的宇宙服
4.デュアルユース惑星望遠鏡(DUET)
5.惑星大気電気(MP4AE)によって推進・動力を与えられるマイクロプローブ
6.深宇宙探査用の超軽量の原子力電気推進プローブ
7.Ripcordイノベーティブパワーシステム(RIPS)
8.星間フライバイのための電力
9.月極プロペラント採掘基地(LPMO)
10.横断的な高アポジー給油軌道ナビゲーター(CHARON)
11.極低温の太陽系天体上での氷の熱採掘
12. 太陽系の境界を探求するための低コスト衛星

フェーズIIでは、研究者は提案概念をさらに発展させ、設計を改良し、新技術の実装方法の検討を開始できる。フェーズIIでは、2年間の研究のために50万ドルが提供される。

採択されたフェーズIIの研究は次のとおりである。

1.円筒型ロール状に展開して3D印刷構造上に設置できる柔軟で新しい光学望遠鏡の設計
2.回転運動拡張アレイ合成
3.画期的な星間ミッションのための自己誘導式レーザー推進
4.小規模ニュートリノ検出器研究
5.回折ライトセイル:パッシブおよび電気光学的アクティブ回折フィルムの設計と研究
6.ソーラーサーフィン

今夏初めて、NIACプログラムは、2年間で最大200万ドルを提供するフェーズIII研究1件を採択する予定である。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]