[本文]

国・地域名:
ロシア
元記事の言語:
英語
公開機関:
ロシア大統領府
元記事公開日:
2019/04/16
抄訳記事公開日:
2019/06/18

ロシアの国家宇宙プログラムに関するプーチン大統領の発言

Expanded meeting of the Security Council

本文:

2019年4月16日付ロシア大統領府の発表では、プーチン大統領が議長を務める安全保障会議拡大会合における大統領の冒頭演説の内容を報じている。発表の概要は以下のとおり。

ロシアの2013~2020年国家宇宙プログラムは、2012年後半に採択されたもので、ロシアの宇宙活動について3つの優先領域を示している。第1は、ロシアの宇宙へのアクセス、宇宙機器・技術・サービスの開発、ロケット・宇宙産業を保証し、それによって国際的な義務を満たすことである。第2は宇宙科学機器の開発であり、第3は有人宇宙飛行の実施である。

国家プログラムでは、2020年までにロシアのロケット・宇宙産業の生産能力を2011年比で2倍にするべきであり、宇宙機器の生産におけるロシアの世界シェアを16パーセントに引き上げるべきであるとしている。

以下は大統領の上記演説における発言の要旨である。

ロシアの衛星通信システム、地球の光学的および無線測位によるイメージング、気象データの収集については、品質、信頼性、軌道運用時間の点で競合相手より劣っている。機器や電子部品の大部分をグレードアップする必要がある。

我々が最初にやるべきことは、2030年までのおよびそれ以降のロシアの宇宙活動に関する国家政策の原則に手を加え、現在の世界的な傾向を考慮に入れて、適切な明確化や追加を導入することである。

第2に、我々は科学と技術、技術と生産の長期的な目標を予定よりも早く達成するということに最も真剣な注意を払う必要がある。そのためには、次世代宇宙技術の開発を飛躍的に促進する先進技術の開発・導入のプロセスを常にモニターしておく必要がある。ロケット・宇宙セクターの革新的発展にとって効果的なメカニズムを見いだし、資金、組織、人材・管理の資源を最優先事項に集中させ、新しい官民パートナーシップの形態を提案することが重要である。

プレセツク(Plesetsk)宇宙センターのより積極的な活用、ボストチヌイ(Vostochny)宇宙打ち上げセンターの第2段階の完成など、地上インフラ開発が第3の重要課題である。ロシアの宇宙センターでは、Angara-A5およびAngara-A5Mロケットなど、最新のロケット向けの設備を完成させ、引き続き多目的衛星クラスターを拡大する必要がある。ボストチヌイでのこのロケットの最初の打ち上げは2021年に予定されており、Angara-A5Mロケットは2025年に打上げ予定である。

最後の重要課題は、高度の能力を備えた専門家の採用である。過去数年間にわたり若い専門家を企業や研究開発センター等に引き付ける施策をいくつか実施してきた。それによって産業界の採用状況は徐々に改善し始めている。

[DW編集局]