[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2019/04/16
抄訳記事公開日:
2019/06/19

BMBFが高効率、安価、長寿命の家庭用電池の開発に向けた「世界電池」公募を開始

Eine Batterie für die Welt

本文:

連邦教育研究省(BMBF)はイノベーションアワード「世界電池」をスタートさせることになり、概略下記のような報道発表を行った。

現在地球上で約10億人が電気のない生活をしている。効率的で、安価で、長寿命の蓄電池があれば、近い将来全世界で、電力の安定供給が現実のものとなる可能性がある。このアワードは家庭用の万能型電池の開発推進を目的としている。

新世代の電池は、世界のこれまで十分な供給を受けて来なかった地域にエネルギーをもたらすことに大きく貢献することが期待されている。冷蔵庫大の手頃な電池ならどの家にも取り付けることができる。特に農村地域の生活の質は大幅に改善され、持続的成長に向けて重要なインパクトが与えられることになる。「世界電池」アワードの要件は非常に具体的で、市場に現存している解決策と少なくとも同等の性能で、かつ価格や維持費が著しく安価であること、というものである。また、それは環境に優しく、太陽電池や他の再生可能な発電装置で稼働するものでなければならない。この新しい電池設置の目標はサハラ(砂漠)以南のアフリカおよびインド亜大陸である。

工業国では、手頃で環境に優しい電力貯蔵装置の普及はエネルギー転換を支援する可能性がある。太陽光発電や風力発電によって電力供給過剰が発生した場合、一時的に電力を貯蔵することで、電力供給網における太陽光や風力による変動電源の影響を和らげることができるからである。これにより電力貯蔵装置は世界的なエネルギー転換の基本的要素となる。

「世界電池」イノベーションアワードは二つのフェーズからなる。第一のフェーズは研究開発プロジェクトの助成を受ける前の、コンセプトを練る期間(1年)という位置づけで最大25万ユーロが支給される。この中から2つの有望なコンセプトが第二フェーズにあたる研究開発プロジェクトフェーズに選考される。1プロジェクトあたり最大3年間、最高500万ユーロを助成する。プロジェクトフェーズでは、「世界電池」を少なくとも実験室で実証できる段階まで開発し、市場導入するためのコンセプトを研究者が提示する。

[DW編集局]