[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立保健医学研究所(INSERM)
元記事公開日:
2019/05/14
抄訳記事公開日:
2019/07/05

INSERMがゲノム編集のより安全なツールとしてCRISPR-nickaseを推奨

CRISPR-Cas9 : vers un outil plus sûr pour éditer les génomes

本文:

2019年5月14日付国立保健医学研究所(INSERM)の標記発表の概要は以下のとおり。

CRISPR-Cas9による最初のゲノム編集は移植されたヒト胚ですでに試行されているが、INSERM の最近の研究では、この手法を使用することの安全性が獲得されているとは言い難いことが示された。UROS遺伝子(この遺伝子の突然変異は希少で激しい造血性疾患をもたらす)の編集にこの方法を試みることによって、研究チームはこの技術に関連した多数の異常を発見した。

CRISPR-Cas9は、正確な遺伝子改変を可能にする分子ツールであるが、使用に当たってリスクがないとは言えない。試行例の約60%において標的遺伝子の望ましくない改変を引き起こし、また特定の条件下では染色体断片の喪失を誘因する可能性がある。

これらの問題を解決するために、INSERMチームは別のツール、CRISPR-nickaseの使用を推奨している。このツールでは効果はやや小さくなるものの、安全性はかなり改善される。

[DW編集局+JSTパリ事務所]