2019年5月15日付英国研究・イノベーション機構（UKRI）の標記発表の概要は以下のとおり。

量子技術の振興を図り、サイバー脅威から英国を守るために、新規高速ネットワーク・リンクがサフォークとケンブリッジ間に開設された。

UKRIの工学・物理科学研究会議（EPSRC）とBT社が共同出資するこの新規ネットワーク・リンクは、医療、バンキング、物流、防衛などを含むセクターにおける重要かつ機密性の高いデータ用に「ハッキング不可能な」通信の提供を目的として、新たな量子技術を活用する方法を試験するために用いられる。

量子リンクでは、光ファイバーを介して暗号化キーを送信する場合に、光の粒子つまり光子に依存するので、安全である。ハッカーが通信を傍受しようとした場合、キー自体が量子力学の法則によって変化し、通信する当事者に盗聴者の存在を警告する。

量子セキュリティで保護されたこのリンクは、サフォークのBT研究所と英国量子ネットワークのケンブリッジ・ノードとの間で、2018年に開設された。このリンクは、研究界と産業界の協力組織「量子通信ハブ」により構築され、英国の国家量子技術プログラムの支援を受けている。

このリンクは、BT研究所やケンブリッジ大学の研究施設だけでなく、両終端にあるハイテク産業クラスタをも直接つないでいる。このことが、産業界による活用の可能性を秘めた量子セキュリティ・ネットワークの技術やサービスに焦点を当てた膨大な範囲におよぶ試験プロジェクトへの扉を開く。

[DW編集局]