[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
英国研究・イノベーション機構
元記事公開日:
2019/05/31
抄訳記事公開日:
2019/07/25

英国バイオバンク・ボランティアの5万人の全ゲノム解析がスタート

Genetic insights from 50,000 people to target new health treatments

本文:

2019年5月31日付英国研究・イノベーション機構(UKRI)の標記発表の概要は以下のとおり。

宝の山である5万人の人の豊富なゲノムデータは、遺伝子や生活習慣の要因が糖尿病や関節炎のような病気の発症にどのように寄与しているかを理解する上で、大きく道を開くものである。この情報は新しい標的治療と予防戦略の開発に役立つ。

480万ポンドの政府ファンディングにより、医療専門家によるデータの調査が可能になる。この情報には英国バイオバンク(病気を発症する人もいれば、発症しない人もいる理由を科学者が解明するのに役立つ強力な資源)向けの5万人のボランティアの全ゲノム解析が含まれる。

UKRIからの投資は、政府の産業戦略チャレンジ基金(ISCF)の一部であり、巨大なデータ・デポジトリの保管・共有向けに配賦される。本プロジェクトでは既存の英国バイオバンク貯蔵・加工施設の規模縮小を図り、将来の医療研究の実行に供するハイテク情報技術システムの重要性に重点を置く。

データ量は桁外れである。ボランティア参加者の身体的・臨床的情報に遺伝的情報を追加すると、保持されるデータの総量はおよそ50倍になる。最初の5万人のボランティアの情報に完全な遺伝子情報を追加することは、ごく最初の段階に過ぎない。最終的には全部で50万人の参加者の完全な遺伝子情報が利用可能になる。各ボランティア参加者のデータは匿名であるので、情報によって誰であるかを特定されることはない。

英国バイオバンクの試料は、ケンブリッジのウェルカム・トラスト・サンガー研究所によってゲノム解析されている。英国バイオバンク・ボランティア 5万人の全ゲノム解析が、ISCFから3,000万ポンドのファンディングを受けて昨年開始された。このデータは2020年にリリースされる予定である。この「前衛的な」段階は、今後2〜3年間で残りの45万人の参加者試料の全ゲノム解析の準備を目的としている。

[DW編集局]