[本文]

国・地域名:
英国
元記事の言語:
英語
公開機関:
科学技術会議(CST)
元記事公開日:
2019/06/18
抄訳記事公開日:
2019/08/05

科学技術会議の研究・イノベーション、国際協力に関する提言に対するBEISの回答

International Research and Innovation Collaboration

本文:

2019年6月19日付科学技術会議(CST)の発表では、同会議による2018年10月30日付の首相宛て(勧告)書簡と、それに対するビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)による2019年3月27日付の回答を公表している。同会議が示した4項目の提言とそれ対するBEISの回答の概要を以下に要約する。

● 提言 1:関連する政府全省庁は、政府の優先課題を確実に支援するべく、英国の研究・イノベーション国際戦略の策定および実施に関与すべきである。

(BEISからの回答)
春の予算演説で発表されたとおり、数カ月以内に研究・イノベーション国際戦略を発表する。この戦略は、他の省庁、実行機関(英国研究・イノベーション機構(UKRI)、国立アカデミー等)、政府の主席科学顧問ネットワーク、地方分権政府、海外ミッションにおける英国の科学・イノベーション・ネットワークとの協議により策定される。英国の産業戦略、通商戦略、外交戦略、安全保障戦略、援助戦略に沿って、今後数十年にわたる多数の優先課題を設定している。

● 提言 2 :国際的パートナーに対してはオファーを明確に伝えること。

(BEISからの回答)
策定中の研究・イノベーション国際戦略は、(外国の政府、研究機関、大学からイノベーティブ企業、投資機関に至るまで、さらには個々の研究者、起業家に至るまで)国際的パートナーへの明確なオファーとして構成される。

● 提言 3 :協力関係を支援する一連のメカニズムを構築すること。

(BEISからの回答)
科学、研究、イノベーションに関して、EU、および個々の加盟国との広範な関係を求めている。Horizon Europe、欧州原子力共同体(Euratom)研究・教育プログラム、ネットワーク、インフラなど、EUの研究開発プログラムとの連係を探る考えである。

既存の政府開発援助(ODA)プログラムを補完するとともに、先進国との協力関係を支援するべく、UKRIは1億1,000万ポンドの国際協力基金を通じた最初の助成を実施した。

またODAプログラムを通じて新たな協力メカニズムを導入している。1月に新規12か所の学際研究拠点に対する2億ポンドの支援を発表した。これは世界中の研究者との新たな研究協力の構築に向けたもので、海洋の保全、洪水リスクの回避、男女平等の確保、未来の都市の防護など、グローバルな開発課題への取り組みにおいて、英国が最先端の地位を保つことを確保するものである。

世界中からの優秀な人材の流入を支援しており、英国の研究者やイノベータの国際的な関与を奨励している。例えば、昨年、英国および世界中の初期キャリア研究者やイノベータを支援するために、UKRIによる9億ポンド規模の「フューチャー・リーダー・フェローシップ」制度を発表した。

企業連携支援では、英国が EUREKA 議長国であることを通して、国際的な企業間連携の機会増進に取り組んでいる。

● 提言 4 :英国はグローバルな研究・イノベーション人材を常時歓迎するというメッセージが、これを支える入国管理政策によって裏付けられることを確認すること。

(BEISからの回答)
EU離脱後も含めて、英国が研究や学業のために世界中の有能な科学者・研究者を歓迎する場であることを、英国政府は一貫して表明している。昨年12月19日に発表された白書において英国の今後の入国管理制度に関する計画を示している。次なる入国管理制度は2021年に施行予定で、これには国際協力を支援する多くの施策が提案されている。

今春、革新的な企業の設立を目的に英国にやってくる人材を支援するべく、企業とイノベータという新規2件の入国管理ルートを導入する。

[DW編集局]