[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国防高等研究計画局(DARPA)
元記事公開日:
2019/05/08
抄訳記事公開日:
2019/08/13

DARPAがAIによる空中戦のためのACEプログラムを開始

Training AI to Win a Dogfight

本文:

2019年5月8日付けの国防高等研究計画局(DARPA)による標記記事の概要は以下のとおりである。

人工知能は、チェスのグランドマスター、囲碁のチャンピオン、プロのポーカープレイヤー、そして今や、オンライン戦略ゲームのワールドクラスのエキスパートの人間を打ち破った。しかし、現在のところ、高速、高重力環境の空中戦において、戦闘機に搭乗した人間を凌駕するようなAIは存在しない。現代の戦闘は、人間と機械の連携をより取り込むように進化しており、DARPAは空対空の戦闘を自動化し、それによりマシンスピードでの反応時間を可能にし、パイロットがより大きな戦局に集中できるようにすることを目指している。

空中戦をAIに任せることが意図するものは、将来的には滅多にないはずの空中戦そのものではなく、むしろAIと自動化が高いレベルの戦いに対処できるという自信をパイロットに与えることである。戦闘機の新人パイロットが離陸、航行、着陸を学ぶとすぐに、彼らは空中戦の操縦を教えられる。一般的な考えとは反対に、新しい戦闘機パイロットは、パイロットのパフォーマンスと信頼を向上させることができる試練として、空中戦を学ぶ。パイロットを飛行機操縦士からミッションに基づいた戦闘の司令官(すなわち、ダイナミックな空中戦任務をコックピットから無人の半自動的な航空機アセットに委任できる者)への転換を加速させるために、AIはまず基本をこなせることを証明しなくてはならない。

このビジョンを追求するために、DARPAはAir Combat Evolution(ACE)プログラムを開始した。ACEは、最初のチャレンジシナリオとして人と機械とが連携した空中戦を用いることによって、自律的な戦闘技術に対する兵士の信頼を高めることを目指す。DARPAは、5月17日にバージニア州アーリントンで、関心のある研究者を対象に提案者デーを開催する。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]