[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
企業総局(DGE)
元記事公開日:
2019/06/12
抄訳記事公開日:
2019/08/15

フランスのエレクトロニクス製造業の課題と展望

Enjeux et perspectives pour la filière française de la fabrication électronique

本文:

2019年6月12日付経済・財務省所管の企業総局(DGE)の標記発表の概要は以下のとおり。

横断的かつ拡散的であるのエレクトロニクス業界は、今日多くの産業部門にとっての戦略的パートナーとなっており、その最前線には自動車、航空、宇宙、電気通信の部門がある。自動運転車であれモノのインターネットであれ、あらゆる製品やサービスにおけるエレクトロニクスの一般化は、一方でこの業界を我々の社会のデジタル・エネルギー変革の中心に位置づけている。

既存の顧客からの需要増やモノのインターネットによる新たな市場の拡大が、フランスのエレクトロニクス業界全体にとって大きな発展の機会となる可能性はあるが、それはまた多くの課題(生産コストに対する重圧、新しいタイプの顧客の出現、新たな提携方式など)を検討する必要性を課す。

上記状況下で DGE と各業界団体は、エレクトロニクス製造業界の課題と展望に関する調査の実施を In Extenso 社に委託した。この領域に存在する担い手と能力の詳細な調査を実施した結果、特にエレクトロニクス製造サービス・プロバイダ(EMS)群の周りに構築されうる3つの予想シナリオ(2020~2025年目標)を特定した。本調査ではまた、このセクター振興のための取り組みの促進、この業界当事者と他の専門業界との間の提携関係の改善、資金支援措置の活用と周知の強化を狙った提言もまとめている。

上記予想シナリオは次の3シナリオである。

  • 第1のシナリオは現状維持のシナリオである。業界は現在のエレクトロニクス需要を基盤とする活力によって成長する。つまりリスクを取りながらも、慎重な行動をとる。
  • 第2のシナリオは業界が先取り志向な場合である。つまり、これまでの市場での地位を固めた上で、新たな専門的エレクトロニクス応用市場で優位に立つべく、顧客側からの短期的な需要がそれほど大きくなくても、投資行動に出る場合である。
  • 第3は、パラダイム・シフトのシナリオである。つまりバリュー・チェーン内での専門性が大きく進化する場合である。

業界全体が飛躍することで不可欠な変革(シナリオ2)又は望ましい変革(シナリオ3)を実行していくことが可能となる。

[DW編集局+JSTパリ事務所]