2019年6月27日付欧州委員会（EC）の標記発表の概要は以下のとおり。

欧州は、新技術によって定義される世界市場で競争していくために、科学や新興企業に投資していく必要がある。そのために欧州委員会は、科学を新しいビジネスに変え革新的企業のスケールアップを図るべく、欧州イノベーション会議（EIC）を設立する。現在試行段階にあるEICは、EUの次期研究・イノベーション・プログラム”Horizon Europe”の下で、100億ユーロの予算で2021年から本格的にスタートする予定である。

欧州委員会はこのほど、起業家、ベンチャー・キャピタル、科学技術の各界から22名の優れたイノベーターを（EICの戦略的指導に当たる）EICアドバイザリーボードに任命した。本ボードは現在の試行段階を監督し、Horizon Europe の下ではEIC の戦略・設計を主導する。

欧州委員会はまた、直近の”EIC Accelerator Pilot”グラント (以前までのSME Instrumentフェーズ2)を得る中小・ベンチャー企業83社を発表した。総支援額は1億4,900万で、これら中小・ベンチャー企業はすべて画期的なイノベーション技術（安全で環境にやさしい次世代軽飛行機、病院向けの抗菌テキスタイル、3Dオーディオ・ソフトウェア、自律走行向け運動計画技術、音声通話用スーパーボットなど）の開発に当たる。

欧州委員会はさらに、ボトムアップの高リスク・高インパクトの研究アイデアに対する新規の”EIC Pathfinder Pilot”グラント (以前までのFET Open)を獲得した53プロジェクトも発表した。総支援額は1億6,400万ユーロで、プロジェクトには、メタルフリーのMRI造影剤、肺感染症における抗生物質の代替療法、その他多数がある。

[DW編集局]