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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2019/07/02
- 抄訳記事公開日:
- 2019/09/13
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欧州委員会が社会的課題に対する新規解決策に110億ユーロを投資し、イノベーション主導の持続可能な成長を推進
- 本文:
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2019年7月2日付欧州委員会(EC)の標記発表の概要は以下のとおり。
ECはこのほど、欧州連合(EU)の研究・イノベーション・ファンディング・プログラム””Horizon 2020″”の最終年に当たり、その最後で最大の年間ファンディング(110億ユーロ)の支出方策を発表した。
Horizon 2020 は、2014~2020年の間に770億ユーロのEUによる研究・イノベーション・ファンディング・プログラムであるが、欧州の科学の卓越性を支援し、系外惑星の発見、ブラックホールの初めての画像、エボラのような疾患に対する高度なワクチン開発など、顕著な科学的ブレイクスルーに寄与してきた。
2020年、欧州委員会は、気候変動、クリーンエネルギー、プラスチック、サイバーセキュリティ、デジタル経済等、少数ではあるが重要なテーマに焦点を当てることにより、研究ファンディングのより大きな効果を狙う。また次期枠組プログラム(2021~2027年)である Horizon Europe に向けた準備をすることにより、今後の研究・イノベーションの展望を描くことに向けられる。Horizon Europe の重要な新規性は欧州イノベーション会議(EIC)である。これは、科学を新規事業に転換し、企業の規模拡大を促進することを目的としたイノベーション・ファンディングのワンストップ・ショップである。EICはすでに試行段階で実行されており、2020年には12億ユーロの予算の配賦を受ける。
● 政策優先課題に重点
今回の作業プログラムでは、2018~2020年の予算および次の領域における欧州委員会の政策優先課題をサポートする。
- 低炭素で気候変動に強い未来:37億ユーロ
- 循環型経済:10億ユーロ
- 欧州産業・サービスのデジタル化と変革:18億ユーロ
- セキュリティ共同体:10億ユーロ
2020年には、従来エネルギー集約型であったセクターを競争力のある低炭素・循環型産業に転換し、環境への弊害を大幅に削減するプロジェクトに対して、2億600万ユーロが割り当てられる。低炭素で気候変動に強い未来に向けた取り組みの一環として、1億3,200万ユーロが欧州での次世代バッテリーの開発・製造の支援に充てられる。総額1億3500万ユーロの予算によりプラスチックに関する新規10件のテーマでは、それぞれ異なる方法でEUのプラスチック戦略に寄与する。今日ブレイクスルーの可能性が最も高い人工知能の予算は3億9,600万ユーロで、1億1,600万ユーロがサイバー犯罪の対策・防止に必要な新機能の開発に充てられる。
[JSTパリ事務所]