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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 会計検査院
- 元記事公開日:
- 2019/07/17
- 抄訳記事公開日:
- 2019/09/25
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超大型研究インフラ(TGIR)に関する会計検査院報告
- 本文:
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会計検査院(COUR DES COMPTES)は2019年7月17日付で標記報告書を公表した。報告の概要は以下のとおり。
超大型研究インフラ(TGIR)に対する会計検査院の検査報告では、その運営・監理の進捗状況を報告している。またフランスの研究界に対しては、(今回の報告で道筋を示す)これら大型施設の改善の重要性を示している。
● 重要課題を公正かつ完全に理解する必要性
これら大型機器の重要性は普遍的合意の対象である。天文台、スーパーコンピュータ、重力波検出器、粒子加速器、レーザービーム、海洋観測船、データネットワーク。これらインフラは、先駆的な研究のほとんどの最前線分野を網羅する。これらインフラは研究者のために研究者によって実装され、最先端の技術が動員される。主要国は必要とされるすべて研究インフラを備えている。
検査院の推定では、2012~2017年の間にTGIRの資金の累積額は42億ユーロに達し、その半額はフランスの予算に依存している。2017年、フランスは22のTGIRに対して3億5,600万ユーロ、つまり当年の資金(8億5,100万ユーロ)の41.8%を拠出している。実際、これらインフラのコストを世界、特に欧州で分担する歴史的傾向が見られる。
欧州委員会は世界レベルの施設を建設する目的で内部競争を組織する傾向がある。国家間の科学的能力の分配においては、意思決定プロセスの管理および真の技術的影響力を持ったフランスによる構想が不可欠である。
自国領土への大型機器の設置は、財政的・経済的観点で永続的な結果をもたらす。したがって(フランスがデジタル技術やエネルギーなど優先セクターにおいて依存的になるという状況を避けるべく)単に科学的課題を超えて安全保障や主権に配慮するところから始まる。
● 国家戦略と適正運営の確立に向けた3つの進展軸
検査院は次の3点で進歩の余地があることを確認した。
- 研究インフラの定義を再考すること
- 戦略的で実用的な運営を強化すること
- 財務情報の向上を図り、情報に基づいた選択を可能にすること
[DW編集局+JSTパリ事務所]