[本文]
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- 国・地域名:
- フランス
- 元記事の言語:
- フランス語
- 公開機関:
- 議会科学技術評価局(OPECST)
- 元記事公開日:
- 2019/07/18
- 抄訳記事公開日:
- 2019/10/02
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OPECSTの科学ノートNo.15(量子技術:量子コンピュータ)
- 本文:
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2019年7月18日付の議会科学技術評価局(OPECST)の標記OPECST科学ノートNo.15から抜粋して以下に記す。
概要
- 1980年代に理論化された量子コンピュータは、近年大きな注目を集めている。最近の技術的進歩は、重要なニーズの増大に直面して相当な計算能力を持つ可能性を示している。
- ただし、まだ克服すべき多くの技術的課題がある。様々な技術が競争しており、それぞれの開発に注意を払う必要があるが、「発表効果」については慎重に検討する必要がある。
- 量子ポテンシャルの活用例とその特異性はすでに現れている。量子コンピュータは現在の技術にとって「脅威」ではなく、むしろそれらと共存し、それらを補完するものである。
結論と展望
数十年前に理論レベルで想定されていた量子コンピュータが、産業界の関心を集め始めたのは、わずかここ数年である。しかしながら、大規模な利用や従来のコンピュータに対する「量子優位性」が到来する前に、多くの技術的・理論的課題を取り除く必要がある。重要な課題を抱えて激しい競争にさらされた産業界は、(慎重であるべきだが)「発表効果」の活用を躊躇しない。発表された量子ビットの品質がすべて同等ではないからである。量子ビットの国際標準を策定することで、様々な技術を相互に比較することが可能になる。最も楽観的なシナリオでは、今後数年間はおそらく従来のプロセッサと量子プロセッサが共存し、それにより、使用のニーズに応じてそれぞれの利点を活用できる。短期的には数十個の量子ビットが、(たとえ不完全なものであっても)役に立つ、特に最適化問題の解決を加速するのに役立つ。その場合の商業化は、(長期的開発に不可欠な)好ましい投資サイクルを可能にする。
[DW編集局+JSTパリ事務所]