[本文]

国・地域名:
フランス
元記事の言語:
フランス語
公開機関:
国立研究機構(ANR)
元記事公開日:
2019/07/25
抄訳記事公開日:
2019/10/10

国立研究機構(ANR)が2020年の行動計画を発表

Publication du Plan d’action 2020 de l’Agence nationale de la recherche

本文:

2019年7月25日付国立研究機構(ANR)の標記発表の概要は以下のとおり。

ANRは、2019年4月中に開催された7つのプログラム策定運営委員会(CPP)の議論を踏まえて、研究関係機関と協議の上、2020年行動計画を策定した。研究連合を構成する5つの分野のほか、数学、物理学を加えた7つの分野に対応する上記委員会には、ANR、研究担当省、その他の省庁、研究連合、CNRS、大学学長会議(CPU)、民間研究界の代表が参加している。

● 行動計画の変更点

2019年版と比較して、いくつか変更が加えられた。特に包括的プロジェクト公募(AAPG)対象領域における科学の境界を明確にし、それらを持続可能な開発目標(SDG)の文脈に含めるべく変更が行われた。

  • 7つの学問分野の中に36件のAAPG科学領域が提示されており、分野横断的(分野横断的または学際的)課題には13件の領域が対応している。ただし、AAPGの一部の領域のタイトルや説明文は科学的境界をより明確に定義するために変更されている。
  • 社会的に重要な課題である「持続可能な開発目標」は、関連するAAPGの研究領域で言及されている。
  • 公的研究機関等と中小企業・中堅企業との間の共同研究室創設を支援する措置である LabCom プログラムの契約条件が変更された(5年に延長)
  • ANRのオープンサイエンス政策の一環として、および国家オープンサイエンス計画と連携して、プロジェクトに由来する科学出版物のオープン・アーカイブへの寄託およびデータ管理(データ管理計画の策定)に関連するコーディネータ・資金支援協力者の取り組みが明確化された。さらにANRは、雑誌や書籍の出版を当初からオープンアクセスに委ねるよう推奨している。
  • ANRはまた、科学・技術・産業文化の推進に貢献する目的で、助成金受給者が市民や意思決定者に対する知識移転活動を実施又は参画するよう奨励する。

● 戦略的優先課題、学際性、研究協力強化

2020年行動計画は国の優先研究指針の一部を成すものである。国が策定した戦略的優先課題と政府計画の実施を取り込んだもので、人工知能、人文社会科学(SHS)、量子技術、薬剤耐性、神経発達障害における自閉症、希少疾患に関するトランスレーショナル研究に関するものである。横断的研究領域における学際性にも特別な注意が払われる。また本行動計画では、欧州委員会の今後の枠組プログラムへのフランスの参加を強化するとともに、多国間および二国間の戦略的協力、特に仏・独間の協力の強化を目指す。

[DW編集局+JSTパリ事務所]