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- 国・地域名:
- 英国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 財務省
- 元記事公開日:
- 2019/09/04
- 抄訳記事公開日:
- 2019/10/23
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2020~2021年度歳出計画に関する財務大臣の演説
- 本文:
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2019年9月4日付財務省の発表では議会におけるサジド・ジャビド(Sajid Javid)財務大臣の標記演説の全文を掲載している。同演説がこの時期に行われるのは、大臣自身が演説の冒頭で述べている通り、EU離脱直後(2020~2021年度)の歳出計画を示すためである(次回のいわゆる Spending Review は2020年に実施される)。その中から主として科学技術・イノベーションに多少とも関わると考えられる部分を抜粋・要約して以下に記す。
「Brexitは、英国経済を再構築し、世界の主要経済大国としての英国の地位を再確認することを可能にする。より賢明で柔軟な規制を考案する機会が与えられる。非効率なEUプログラムを、英国で独自に策定される代替プログラムに置き換えることができる」。
- 2020~2021年度の定常的政府予算は、実質的に前年比で138億ポンド、つまり4.1%増加する。政府の定常的予算で全ての省が削減を免れるのは、2002年以降初めてである。
- NHS(国民保健サービス)関連予算は、2018~19年度と比較して年間339億ポンドが2023~24年度まで増額される。がんの早期発見、新規治療法の発見、医師・看護師のトレーニングや作業負担軽減など、今日の医療における最大の課題の一部解決に資する目的で、画期的な人工知能技術に対して2億5,000万ポンドが充てられる。
- 国防軍は22億ポンドの予算増となる。これにより世界トップクラスの英国国防軍は、絶えず変化する国家安全保障の脅威に、引き続き最新化を図って対応することができる。
- バスによる輸送サービスの変革に2億ポンド強が充てられる。全国の重要な交通網に対する4億9,000万ポンドの予算増により、企業、人、物資の全国での移動を支援する。これには、バス輸送をより環境に優しいものにする目的の追加資金のほか、より信頼性の高い旅を保証する鉄道線路の保守、主要プロジェクトの開発に対する継続的支援が含まれる。
- EU離脱後の資金支援。2020~21年度の20億ポンドは、英国がEUとの新たな関係を確立し、Brexitによって生み出される機会の活用に役立てる。
- 脱炭素化、大気汚染対策、生物多様性のテーマで合計9,000万ポンドの予算増。英国はクリーン成長の世界的リーダーであり、今回の歳出計画では脱炭素スキームを加速し、大気の質の向上を図り、生物多様性を保護・強化する目的で、追加資金を用意する。
[DW編集局]