[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2019/09/05
抄訳記事公開日:
2019/10/24

BMBFによる戦略的予測のフォーサイトプロセスと未来問題に関するFuturiumがスタート

Karliczek: Wir schauen in die Zukunft

本文:

今後数十年を見据え、連邦教育研究省(BMBF)は、戦略的予測の新しいフォーサイトプロセスをスタートさせる。同時に未来の問題に関する会議の場として”Futurium“をオープンした。これに関してBMBFは概略下記のような報道発表を行った。

未来のトレンドと推移を探求する、戦略的な予測の新たなフォーサイトプロセスの開始と、”Futurium“のオープンに関して、カルリチェクBMBF大臣は次のように発言した。:

「未来に関し決定を下さなければならない者は誰でも、現在の状況を把握する必要がある。今日、未来に向けてレールを敷こうとするならば、その未来がどのようなものなのか、またあるべきなのかという考えを持っていなければならない。今週、戦略的予測の新たなプロセスをスタートさせる。また、同日BMBFの近くに未来に関する対話の場“Futurium“がオープンすることを喜びとするものである。

BMBFの委託によるアンケート調査によると、ドイツ人にとって未来への分析的な視点は中心的な役割を果たすかという問いに対し、回答者の60%以上は、連邦政府が未来のシナリオを実行し、必要な措置を講ずることが非常に重要である、としている。一方、約半数は未来に関する具体的な考えはもっていない、と回答している。また4割以上が、未来シナリオは社会の幸福を指向すべきものである、と考えている。

これらの数字は、戦略的予測のプロセスを継続し、強化していくことを、支持してくれるものであると確信する。言い換えれば、どのような技術的、社会的推移が社会を変化させるのかという科学的な方法によって、未来にアプローチする、ということである。

第一の予測的な視線は、国民の中の価値の変化にむけられることになる。人間の内なるコンパスが変化するのか。是であるとすれば、どのように変化するのか、それが将来の社会と共同生活にどのような意味合いを持ってくるのか、を知りたい。今日の若い世代はその子供たちに何を与えることになるのか。「ドイツにおける人々の価値観の未来」は最初のテーマになる。さらなる未来テーマは2022年まで半年ごとに深堀り調査されることになる。

大きな未来の問題から生ずる重要課題等に関するオープンな議論が生まれるよう刺激し、それを促すことが大切である。グローバルな環境変化、進行する都市化、量子コンピューティング、交通コンセプトの転換等、重要な課題が山積みである。連邦政府のイニシアチブによって未来問題に関する対話の場として“Futurium“がそのために創設された。訪問者たちが自分たちの未来展望、未来への期待、未来への不安を説明し、議論することができ、またどのように学界、経済界、政界とどのように明日の世界を共に築いていくのかについて討論することができる。“Futurium“は傑出した対話の場となる」。

背景:
BMBFの戦略的予測のプロセスは2019年から2022年までのもので、予算総額は650万ユーロである。BMBFは90年代から組織的な予測プロセスを実施している。
新しいトレンドと推移の探求については「未来オフィス」が担う。同オフィスは半年毎にトレンドリストを作成し、また価値調査も実施する。最初の成果は2020年初めに発表されると予想される。様々な専門分野の戦略専門家からなるサークルである「未来サークル」は、教育および研究にとって特に重要な、未来オフィスが確認したテーマのさらなる取り組みについてBMBFに助言する。

アンケート調査はBMBFの委託により、Civey世論研究所が実施した。回答者数は2,500人、実施時期は2019年8月29日から30日。

“Futurium“は2019年9月5日オープンされたもので、未来を築くことに関する問題を主眼とし、新たな展開や知見による絶えざる変化を示し、それらを市民と討論するための展示および催しの場である。連邦政府のイニシアチブによって設立された“Futurium“は学界、経済界、政界の関係者を幅広く結集させるものである。その運営および構想については中立の法人であるFuturium有限責任会社が責任を負う。BMBFによって代表される連邦政府は同社株式の86%を保有する。同社の資金負担は株主の負担およびBMBFの基盤的助成によって行われる。これに関して2019年度連邦予算において1,450万ユーロ以上が計上されている。

[DW編集局]