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- 国・地域名:
- EU
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 欧州委員会(EC)
- 元記事公開日:
- 2019/09/10
- 抄訳記事公開日:
- 2019/10/25
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イノベーション・若年世代担当委員マリヤ・ガブリエル氏へのミッション・レター
- 本文:
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2019年9月10日付欧州委員会(EC)の発表では、次期欧州委員会委員長のフォンデアライエン(Ursula von der Leyen)氏からマリヤ・ガブリエル(Mariya Gabriel)氏に宛てたミッション・レターが掲載されている。概要は以下のとおり。
マリヤ・ガブリエル氏は、次期欧州委員会のイノベーション・若年世代担当委員で、教育、研究もその職務の範囲にある。同氏は現欧州委員会の委員であり、これまでデジタル関連の職務を担当してきた。
フォンデアライエン氏はミッション・レターの中で、将来への最善の投資先として、若年世代、イノベータ、研究者が重要であること、また教育、研究、イノベーションは、気候ニュートラルな経済や新たなデジタル時代に向けた移行を主導するEUの競争力および能力の鍵となること、を強調している。
フォンデアライエン氏は、教育・研究・イノベーションに関するガブリエル氏の今後5年間の任務を次のように概説している。
- 加盟国、研究コミュニティ、市民社会、他の欧州委員と協力して、今後の Horizon Europe プログラムの迅速な合意と完全な実施を確保する必要がある。その一環として、特に欧州イノベーション会議(EIC)を通じて、破壊的な研究や画期的イノベーションに対する十分な投資フローを確保する必要がある。
- グローバルな競争力を維持するために、イノベータによるアイデアの市場投入を適切に支援する必要がある。加盟国と協力して真の欧州研究圏(ERA)を構築し、その中で国レベル・欧州レベルの全ての取り組みを統合する。
- 研究、政策、経済の優先事項が密接に連携することを確保すること。これには、EUのあらゆる政策分野の各委員と協力すること、新しい産業戦略に寄与すること、今後の Horizon Europe プログラムにおける新たなテーマ別ミッションを最大限活用することが含まれる。
- 次期予算の一部として、Erasmus+ プログラムの予算を3倍にするという目標を支援する必要がある。すべての受益者がプログラムによって提供される機会を最大限に活用できるようにするには、迅速な合意が不可欠である。
- 2025年までに欧州教育圏(EEA)の実現に向けて、地域や各国の当局と緊密に協力して作業を主導すること。学習の障壁を取り除き、質の高い教育へのアクセスを改善し、学習者が各国間を移動しやすくすることに焦点を当てる必要がある。
- 欧州の大学間で卓越性とネットワークを促進すること。欧州大学構想の完全実施に焦点を当て、現行のパイロット段階から教訓を得る必要がある。これにより、学生は欧州の複数の国での履修を組み合わせて学位を取得でき、欧州の大学の国際的な地位と競争力向上に貢献することができる。
- デジタル・スキルのギャップを埋めるべく、デジタル・リテラシーおよび教育に焦点を当てること。デジタル教育行動計画の更新を主導し、大規模なオープン・オンライン・コースの受講を増やす方法を検討する必要がある。また若年齢時から、偽情報その他のオンライン脅威について、認知度を高める方法についても検討する必要がある。
- 教育、研究、イノベーションにおける国際協力を促進するため、交換プログラムの可能性を最大限に高める必要がある。
[DW編集局]