[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立科学財団(NSF)
元記事公開日:
2019/09/04
抄訳記事公開日:
2019/10/25

NSFが合成生物学とエピジェネティクス研究に3,600万ドルを助成

NSF commits $36 million to uncovering Rules of Life that will drive next-generation research

本文:

2019年9月4日付けの国立科学財団(NSF)による標記記事の概要は以下のとおりである。

NSFは、3年前に設定した10のビッグアイデアの一つである「生命法則の理解」ポートフォリオに基づく最初のプロジェクトに3,600万ドルを投入した。これは、科学および工学研究の2つの重要な分野、「合成細胞の構築」と「エピジェネティクス」(epigenetics)における開発の加速を目的としている。

合成細胞の構築:
非生物分子・材料から合成細胞を製造する能力は、バイオ燃料、非シリコンベースのコンピューターチップ、医薬品の製造への展開が期待され、米国経済に恩恵をもたらす可能性がある。しかし、このためには、細胞を組み立てて機能させる方法を支配する複雑な規則性を知る必要がある。生命のルールを理解し、合成細胞を作成する上での潜在的な倫理的・社会的側面を同時に研究するため、分野を超えた研究者の参画が必要である。約24機関の研究者による6つの新プロジェクトが、これらの規則を明らかにするための研究を実施する。

エピジェネティクス
エピジェネティクスとは、遺伝的変化がない場合に新しい形質がどのように遺伝するかを研究することである。特定遺伝子の発現方法、タイミング、場所を変更して、遺伝子の読み取りと発現の方法を変えることにより、同じDNAシーケンスを持つ2つの細胞または個体が異なる挙動を示す可能性がある。過去数十年にわたる画期的な研究により、生物、個体群、さらには生態系全体に対するエピジェネティックな現象の深遠な影響が実証されている。NSFは14機関の8研究プロジェクトに資金提供を行い、エピジェネティクスの根底にある法則を特定し、エピジェネティクスが系統樹に亘って観察可能な特性と行動にどのようにつながるかをより深く理解し、予測する研究を支援する。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]