[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2019/09/20
抄訳記事公開日:
2019/11/12

気候閣議が包括的な地球温暖化対策のための基本合意を決議

Karliczek: Dies ist ein wichtiger Tag in der Klimaforschung

本文:

「気候閣議」(ドイツ連邦政府によって設立された委員会)は本日ベルリンにおいて包括的な地球温暖化対策のための基本合意を決議。これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。

ノルウェーに停泊していた北極星号は、これまでで最高の北極探検に向け出港する。カルリチェクBMBF大臣はこれに関して以下の通り述べた。

「気候閣議の決定および北極星号の遠征は気候変動をストップさせるというドイツの強い意志を示すものである。9月20日は、温室効果ガス削減に向けて野心的な措置を講じ、再度、地球温暖化対策ための研究の取り組みを強化することを示している。研究大臣として、連邦政府が環境保護のための研究およびイノベーションに高い優先順位を与えることを歓迎する。科学の歴史における最大級の北極へのミッションは、世界をリードする気候研究の役割を象徴するものである。気候閣議の諸決定は温室効果ガスゼロ技術の開発を強化するための基盤となる。この日は地球温暖化対策のために重要な日であり、気候研究における特別な日である。

環境保護に熱意を持つ市民と共に、世界を我々が知る姿で将来の世代のために維持していきたい。地球温暖化対策は全ての国が対応しなければならない世界的な課題である。しかし、人々の心配は多様なものである場合が多いということを忘れてならない。

気候閣議の決定によって、BMBFは環境に優しい技術的イノベーションを強化することができる。このことは気候変動に対する戦いにとって重要である。これはまた、ドイツの雇用、ドイツ経済の競争力、人々の生活の質等にとっても最も重要である。研究開発によってイノベーションへの基盤を早く築けば築くほど、開発を実際に実現できる可能性が高くなる。

BMBFは5つの重点を設定する。“green“(環境に優しい)研究、即ち、未来のエネルギー源と期待される化石燃料を使用することなしに水素を製造する研究を強化する。さらに、省エネ情報通信技術(GREEN-ICT)を促進し、情報技術におけるエネルギー消費の削減を目指す。基幹産業と共に、生産プロセスで排出ガスなしに鉄鋼、セメント、石灰の生産を可能にする新たな技術を開発する。バッテリー研究において世界的に類を見ないイノベーションパイプラインを構築したい。これによりアイデアをより迅速に産業界へ移転させることができる。併せてエネルギー効率化および環境保護に関して、中小企業の革新力を強化していきたい。

BMBFが推進する合計15の研究施策

北極星号ミッションは地球温暖化対策の例を示している。“MOSAiC-ミッション”(Multidisciplinary drifting Observatory for the Study of Arctic Climate)は、国際レベルで世界中の温暖化対策プロセスにおけるあらゆる後退があるにもかかわらず、この重要課題を受け入れる意志が存在することを示している。ニューヨークにおける国連気候会議直前に警告の意味を持ち、アメリカ、ロシア、中国を含む19か国の研究者が共同で北極海での気候変動の発生を研究する。

気候変動の将来に関する新しい重要な知識をもたらすであろう同遠征は、気候変動という重要課題に対する答えを見出すために重要である。政治は、環境保護問題において、新たな知識に迅速かつ効果的に対応するためにアカデミアと緊密にコンタクトを保たなければならない。

アルフレッド・ヴェーゲナー研究所の研究者が北極星号ミッションをリードし、ドイツがコストの半分を負担することは、世界の気候を守るための我が国の熱意の表れである。ミッションの大いなる成功と、全ての研究者が無事に帰国されるよう祈念する。

[DW編集局]