[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2019/11/05
抄訳記事公開日:
2019/12/11

BMBFが「エネルギー効率の高いAIシステム」と題するイニシアチブを開始

Mit KI-Chips Herzrhythmusstörungen erkennen

本文:

連邦教育研究省(BMBF)は、このほど「エネルギー効率の高いAIシステム」と題する飛躍的イノベーションに関するパイロットイニシアチブを開始することとし、これに関して概略下記のような報道発表を行った。

人工知能(AI)が有用で多くの応用を実現するためには、今日のマイクロエレクトロニクスのエネルギー消費を、特にモバイルや安全性が重要視される領域において、削減しなければならない。このテーマに対しに、今月から一年間、合計18の大学や研究機関が参加し、平行して進められる11の計画に関して最高のアイデアを競う。

ルーカスBMBF事務次官はプロジェクト開始とedaForumイベント開催に当たり、次のように宣言した:「大学および研究機関にはマイクロエレクトロニクスのエネルギー効率向上に関する多くの優れたアイデアがある。「エネルギー効率の高いAIシステム」プロジェクトでは、どの研究グループが、所定の課題においてエネルギー消費が最少となるAIシステムを創り出せるのかを見出したい。人類の脳におけるデータ処理からインスピレーションを得る。我々の脳は、同規模の分析課題に関して、より少ないエネルギーで処理できる、即ち、エネルギー効率が高い。このことはどれくらい効率向上が可能かを示している」。

同プロジェクトでは、それぞれ、強力なアルゴリズム(AI)を搭載したエネルギー効率の高いマイクロエレクトロニクスチップを設計・検証する。「エネルギー効率の高いAIシステム」は、心電図のデータから、かなり高い精度そして最小限のエネルギー消費で、心不整脈を検知することを学習する。コンペティションでは、ベルリンのシャリテ遠隔医療センターが、データ保護規制に従って提供する数千の心電図データを、学習データとして利用することができる。

AIシステムが最低90%の精度で心房細動を検知し、これをほぼリアルタイムで分類することが課題として設定されている。最もエネルギー効率の高い3システムが勝者となり、継続プロジェクトにおいて、産業界のパートナーとそのイノベーション的コンセプトの応用を共同で推進するチャンスが与えられる。

大学が「エネルギー効率の高いAIシステム」で目標とするところは、産業界の参加を得て、産業界が成果をフォローし、更なる活動に備えるようにすることである。

註:
“edacentrum“は毎年、決定権者のため”edaForum“を開催しており、エレクトロニクス、デザイン、応用に関する、経済と技術をテーマとする講演をユニークな形で組み合わせたものを提供している。本年の”edaForum19“は各々イノベーションの原動力となる二つの技術を取り上げている。
・現在利用可能なマイクロエレクトロニクスを利用した効率的かつ効果的に様々な応用分野で利用できるAIのプロセス
・AIを活用した最新半導体の製品およびシステムの設計

“edacentrum“は経済界および学界におけるエレクトロニクス、デザイン、応用に関するネットワークである。

[DW編集局]