[本文]

国名:
英国
公開機関:
ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)
元記事公開日:
2019/11/05
抄訳記事公開日:
2020/01/06
元記事の言語:
英語

英国の研究・イノベーションの国際パートナーシップの強化に関する提言

International partnership opportunities for UK research and innovation

本文:

2019年11月5日付ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)の標記報道発表の概要は以下のとおり。

このほど公表されたエイドリアン・スミス(Adrian Smith) 教授とグレーム・リード(Graeme Reid)教授による第三者報告書では、英国が国際協力を拡大するべき新たな機会を提示している。

国際協力は、英国が世界的な科学大国としての地位を維持するための基本である。このようなパートナーシップは、気候変動、生命を脅かす疾患、世界の高齢化社会などの地球規模的な課題への有意義な取り組みのほか、産業全体を変革する可能性のある人工知能(AI)のような技術の進歩を支援する。

政府はまた、EUの次なる科学・研究・イノベーション・プログラムである Horizon Europe への準加盟を検討する。これは、状況に関係なく、科学・研究ファンディングについて欧州や世界と緊密な関係を維持したい政府の意向を反映している。

上記第三者報告書では、英国が国際協力を世界的に拡大し現行のパートナーシップを強化する潜在的な機会を示しつつ、幅広い原則やアイデアを提示している。その中には、英国が欧州のファンディング・プログラムに全く参画しない場合の選択肢も含まれている。いずれにせよ、政府は最先端の国際科学協力を保護し、保持し、強化することに固くコミットしている。これには、次のような選択肢がある。

  • 英国全土における研究開発能力の構築など、英国の科学、研究、イノベーション基盤の保護・強化
  • 予期しない新規の国際的機会に即応すべく、研究ファンディングの機敏性の向上
  • 外国から英国への直接投資を含む(2027年までに研究開発投資をGDPの少なくとも2.4%にするという)政府の取り組みの推進
  • 英国に広範な科学的人材を惹きつけ保持するためのグローバル人材戦略の展開

● 「変化と選択」:研究・イノベーション国際協力に必要な今後の枠組に関する助言

大学・科学・研究・イノベーション担当大臣の諮問に応えた第三者報告書の概要をその「エグゼクティブ・サマリー」から要約して以下に記す。

  • 資金支援の問題

英国が Horizon Europe の準加盟国にならない場合は、これまでEUに向けられていた資金をより広範な形態の国際協力に振り向けるとする、英国の追加的公共投資に関する強力な論調が見られる。安定化、保護、より広範な形態の国際協力に必要なファンディングを総合すると、英国が過去にEUプログラムに参加することにより受理した資金規模とほぼ同規模の年間約15億ポンドになる。本報告書の提言は、少なくともこのレベルのファンディングが利用可能であることを前提としている。

既存の研究・イノベーション活動の中断を避けるべく、本報告書の提言に対してリソースを開放するよう助言する。研究・イノベーション活動の中断は、英国が不確実性と変化に直面している正にその時に、英国の高度に効果的な研究・イノベーション・エコシステムを不安定にすることになる。

  • 新しい構想

(2027年までに研究開発投資をGDPの少なくとも2.4%にするという)目標達成に向けて、次のような構想が必要である。

- 非常に効果的な英国研究パートナーシップ投資基金の国際版により、英国の研究開発に対する外国からの多額の直接投資を誘致する大学や研究機関に対して、相当の賞金を伴うコンペティションを実施すべきである。
- 世界で最も才能のある多くの研究者を英国に惹きつけ保持するべく、移民政策の改革と一連のフェローシップや大学院プログラムを組み合わせて、一貫したグローバル人材戦略を展開すること。
- 基礎研究に対する実質的な追加ファンディングを行うこと。(この重要な研究の支援のかなりのレベルが、現在はEU協力によるものであることを認識する必要がある)
- あらゆる分野の優秀な研究者に対して長期間にわたり大規模な助成を行うための、主力研究フェローシップ・プログラムを策定すること。これにより特定された領域での最先端の知識の拡大を図る。

  • より機敏な対応

動きの速い予期せぬ機会をとらえるべく、新しく次の2つの主要なファンディングの流れを設定すること。

- 第1は、(研究・イノベーションの枠に入ってはいるが、特定プロジェクトに関連付けられたファンディングモデルでは簡単に忌避される可能性がある)自発的で有機的な協力関係に対して、QR(研究の質に関連した)ファンディング等を通じて追加の資金支援手段を用意する必要がある。

- 第2は、「迅速対応基金」である。
第1の流れは、英国の研究に大きな潜在的利益をもたらす可能性がある新たな国際プログラムに対して、英国が投資できるようにするものである。第2の流れは、閣僚レベルで他の諸国との相互協議中の事案を含め、予想外に発生する機会を捉えるものである。

  • ファンディング組織

このような規模の国際協力には、独特の運営組織が必要である。ファンディングの多くは、英国の排他的管理下ではなく、他の諸国のファンディング機関や企業とのパートナーシップで展開される。このような運営組織を設計する場合の一連の原則と組織自体に関する複数のハイレベルの選択肢を提示する。もちろん、これらの原則のいくつかは、すでに国内のファンディングの取り決めで機能しているものである。

[DW編集局]