[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州委員会(EC)
元記事公開日:
2019/11/18
抄訳記事公開日:
2020/01/15

EU3機関が2020年度EU予算を承認:気候変動やその他のEU優先事項の実現に取り組む

Agreement on EU budget for 2020: Tackling climate change and delivering on other EU priorities

本文:

2019年11月18日付の欧州委員会(EC)の標記報道発表の概要は以下のとおり。

EU3機関(欧州理事会、欧州議会、欧州委員会)はこのほど、2020年度EU予算を承認した。これにより、EUは、気候変動、雇用、若年者、安全保障、EUにおける連帯など、EU市民にとって重要な優先課題にリソースを集中させることができる。来年の予算は、現行の2014〜2020年長期予算サイクルにおける7年目で最後の年になるので、次の予算サイクルへの移行の準備でもある。

2020年度のEU予算は、コミットメント(当該年に契約で合意できる金額)で1,686億9,000万ユーロ、支払いクレジット(支払われる金額)で1,535億7,000万ユーロに設定されている。主な特徴は次のとおり。

  • 全体予算の21%は、気候変動対策の措置に支出される。例えば、環境・気候変動に関する LIFE プログラムは、5億8,960万ユーロ(2019年と比較して5.6%増)の支援を受ける。従来、気候目標の達成に多大な貢献をしてきた Horizon 2020 は、134億9,000万ユーロ(2019年と比較して8.8%増)を獲得する。再生可能エネルギー源の大規模展開、既存のエネルギー輸送インフラの性能向上、新規インフラの開発に投資する「コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティー(CEF)」のエネルギー分野は、12億8,000万ユーロ(2019年比35%増)の支援を受ける。CEFの輸送分野は、25億8,000万ユーロの支援を受ける。
  • EU基金の約半分に当たる839億3,000万ユーロの投資(2019年比で4.1%増)は、EUの経済競争力向上を支援するものである。そのうちの586億5,000万ユーロ(2019年比で2.5%増)は、加盟国間の経済格差を縮小し、成長と雇用創出を促進し、欧州構造投資基金(ESI基金)を通じてのコンバージェンスを促進する。
  • 欧州のグローバル衛星測位システム Galileo は、2020年末までにユーザ数12億人到達に向けて、世界市場の取り込みを拡大するべく、12億ユーロ(2019年比で、74.7%増)の支援を受ける。
  • 欧州企業が、欧州防衛産業開発計画(EDIDP)の下で防衛製品・技術の開発に協力するインセンティブとして、2億5,500万ユーロが充てられる。
  • 若年層は多くのプログラムを通じて恩恵を受ける。Erasmus+ を通じて28億9,000万ユーロが教育に充てられる(2019年比で、+ 3.6%)。また、European Solidarity Corps では、1億6,610万ユーロ(2019年比で、+ 15.9%)で、国内外のボランティア活動やプロジェクトで働く機会を創出する。
  • 欧州の農業従事者は581億2,000万ユーロの支援を受ける。
  • 安全保障や移民管理は引き続き支援を受ける。

[DW編集局]