[本文]

国・地域名:
EU
元記事の言語:
英語
公開機関:
欧州議会
元記事公開日:
2019/11/27
抄訳記事公開日:
2020/01/23

欧州議会がフォンデアライエン氏が率いる次期欧州委員を承認

Parliament elects the von der Leyen Commission

本文:

2019年11月27日付欧州議会の標記報道発表の概要は以下のとおり。

欧州議会は、公聴プロセスの結果を受けて、(フォンデアライエン次期欧州委員会委員長によって)本会議に提出された次期欧州委員会委員を承認した。

ウルズラ・フォンデアライエン(Ursula von der Leyen)次期欧州委員長は議会での冒頭演説の中で、(環境保護・気候変動、成長、多様性の受け入れ、イノベーション・デジタル化のほか、民主主義の擁護、欧州の価値、市民の権利、法の支配など)多岐にわたる重要な問題について欧州が国際的に主導すべく、適切な投資と規制の枠組みを導入する旨強調した。

● デジタル化については次のように述べている。

第1に、欧州における主要技術の習得と保有が必要である。これには、量子コンピューティング、人工知能(AI)、ブロックチェーン、重要チップ技術が含まれる。現存するギャップを埋めるには、我々の資源、資金、研究能力、知識を結束させ、実践に移す必要がある。例えば、欧州は現在、世界市場で最も強力な3大コンピュータの1つを獲得する過程にある。しかし次世代のスーパーコンピュータは欧州の手で構築する必要がある。

第2に、欧州はこれらの領域で競争力の発揮に必要なあらゆる科学者・あらゆる産業能力を保有している。

第3に、共通の規準、ギガビット・ネットワーク、現在および次世代の両方の安全なクラウドを備えた、将来に適合するインフラが必要である。

第4に、デジタル化の原材料はデータである。「一般データ保護規則(GDPR)」で行ったように、世界に規範を示す。AIでも同様のことを行う必要がある。欧州では人間を中心に置くからで、それはデータの流れを妨げることではなく、責任をもってデータを処理する方法を定めたルールを作成することである。我々にとって個人のデジタルIDの保護は最優先事項である。

第5にイノベーションも必要である。現在、個人データ以外のデータの85%は全く使用されておらず、無駄である。この未使用データ内に隠れている知識を活用する必要がある。政府と企業がデータを共有し、安全にプールできるようにするための枠組を確立する必要がある。

第6に、サイバーセキュリティとデジタル化は同じコインの両面である。これらは欧州企業の競争力を確保するための最優先事項である。厳しいセキュリティ要件と欧州での統一的アプローチが必要である。危険に関する知識の共有が必要である。共通のプラットフォームと強力な欧州サイバーセキュリティ機関が必要である。

● フォンデアライエン次期委員長はまた、承認された各委員の紹介の中で、 マリヤ・ガブリエル(Mariya Gabriel)委員の肩書が、(「イノベーション・若年者担当委員」から)「イノベーション、研究、文化、教育、若年者担当委員」に変更された旨発表した。

[DW編集局]