[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国家科学技術会議(NSTC)
元記事公開日:
2019/12/20
抄訳記事公開日:
2020/02/26

NSTCが「核防衛研究開発戦略計画2020-2024」を策定

Nuclear Defense Research and Development Strategic Plan 2020–2024

本文:

2019年12月20日付けの国家科学技術会議(NSTC)による報告書の概要は以下のとおりである。

核攻撃は、米国とその同盟国が直面している最も深刻な脅威であり、核の脅威への対処は、米国の防衛の最優先事項である。トランプ政権は、政策文書において、一連の脅威とリスクを明確にし、核防衛政策の目標を設定した。米国全体の核防衛体制は、以下の相互に補完する5要素にまたがる活動と能力を統合しており、これら要素を連携することで、可能な限り核攻撃を防ぎ、阻止が失敗した場合の効果的な対応が可能になる。

1.不拡散と検証: 核不拡散の取組みは、国家および非国家主体による核兵器の取得や、核能力の拡大の防止に役立つ。国家による核条約と協定への遵守の監視および検証は、核の脅威の拡大と増加を制限するのに役立つ。
2.検出と帰属: 核物質および放射線物質の検出は、核防衛のレベルを高める。
3.核抑止: 核抑止政策および能力は、敵が核攻撃によって達成しようとする利益を無効にする。また、敵に核攻撃による利益をはるかに上回るコストを課すことができる。
4.ミサイル防衛: ミサイル防衛能力は、敵がミサイル攻撃を実行する能力を制限することにより、核防衛に貢献する。
5.強靱性、対応、回復: 米国の包括的な核防衛態勢には、限定的な核攻撃や事象に効果的に対応し、回復する能力が含まれる。

技術が進歩し、敵が米国の安全を脅かし、弱める機会を求めているため、効果的な米国の核防衛体制を維持および前進させるには、前述の5要素を支える堅牢で継続的な研究開発が必要である。本計画は、連邦政府機関が、設定された国家核防衛政策目標を達成するために、今後5年間にわたる研究開発の優先順位を明示し、不必要な重複を避け、省庁間のギャップを特定し、研究開発投資のためのより効率的な政府全体の戦略を調整するのに役立つ。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]