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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2020/01/15
- 抄訳記事公開日:
- 2020/03/02
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ベルリンのAI拠点に連邦および州から数百万ユーロの助成
Millionenförderung von Bund und Land für KI-Leuchtturm in Berlin
- 本文:
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ドイツ連邦政府のAI戦略の枠組みの中でAI先端研究の拠点ともいうべき存在が生まれ、これに関して連邦教育研究省(BMBF)、ベルリン科学研究省、ベルリン工科大学(TU Berlin)が概略下記のとおり合同報道発表を行った。
連邦政府のAI戦略に関連しベルリンにAI先端研究拠点が創設された。ベルリン工科大学のベルリン・ビッグデータ・センター(BBDC)とベルリン機械学習センター(BZML)が新設の「学習とデータの基礎のためのベルリン研究所」(BIFOLD)に合流し、その他のベルリンのパートナー機関との協力を拡大する。BMBFは既に両センターの助成金を1,800万ユーロ増額し、BIFOLDは2019年から2022年の間に連邦予算から総額3,200万ユーロを受けることになる。ベルリン市はベルリン工科大学およびベルリン自由大学に8人の新AI教授ポストを設けることによって新研究所を支援する。このため今年度予算において既に350万ユーロが用意されている。
連邦政府およびベルリン市は、ベルリン工科大学のキャンパス内にAI中核拠点”AI-Nucleus”を創設し、ビッグ・データおよび機械学習のインターフェースにおける研究、教育訓練、イノベーション創出を密にリンクさせる。目標は、世界水準の研究を行うだけでなく、AIの先端的頭脳を巡る競争でも後れを取らず、同時に緊急に必要とされる将来のAI専門家を養成することができる、国際的なランクや知名度を有する研究センターとすることである。
カルリチェクBMBF大臣談:「二つのベルリンAI研究センターのBIFOLDへの吸収合併は、連邦政府のAI戦略の実行における一つのマイルストーンである。中核的なAI研究がBIFOLDに結集される。BIFOLDはAIシステムの透明性と説明可能性の研究ならびに倫理的観点にも重点を置く。このことは他の大陸のAI研究拠点と区別するものであり、ドイツをAIの先端拠点とするため優れた研究を必要としている。BMBFはBIFOLDを創設し、予算の倍増によってドイツのAI拠点の拡充を力強く支援していく」。
「ベルリンはドイツにおけるAI研究を大きく前進させることができる。BIFOLDは次の大きなステップである。このため教授職を増やし、ベルリンのAI研究における既存のシナジーをより強く活用していく。ベルリンは、既にAIを多種多様な分野で研究し、教育している多くの科学者や研究機関からなる他に類を見ないエコシステムを有している。共に展開する巨大なポテンシャルがある」とベルリン市長兼ベルリン科学研究大臣のミュラー(Michael Müller)氏が強調した。
「AIの技術的基盤が単に民間の大企業においてだけでなく、公立の総合大学でも本当に大きく研究され、開発されていることは重要であり、正しいことである」とベルリン工科大学学長トムゼン教授(Prof. Christian Thomsen)が語り、「技術的進歩は、かつてないほどに、規制、透明性、責任に関する社会的議論と絡み合っている。社会的な問題設定と重要課題との、正しくかつ必要なフィードバックは、ベルリン工科大学の不可欠の要素としてのBIFOLDに最善の条件をもたらすものである」と続けた。
内容的にはBIFOLDは三つの目標を追求する。即ちビッグ・データ領域のインターフェースにおける先端研究、データマネジメント、および機械学習である。AIというテーマを科学、経済、および社会に定着させるためには技術、ツールおよびシステムの開発が必要であり、また世界的に緊急に必要とされるAI専門家の訓練、再教育も必要である。
BMBFはBIFOLDの他に、ミュンヘン、チュービンゲン、ドルトムント/ボン、ドレスデン/ライプツィヒの各大学の5つのAI研究センタ-ならびにドイツ人工知能研究センター(DFKI)を助成している。連邦政府のAI戦略の枠組みの中でこれらのセンターが拡充される。2019年から2022年度に、これらセンターに当初予定された6,400万ユーロの助成は倍増となった。
[DW編集局]