[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2020/02/03
抄訳記事公開日:
2020/03/26

がん研究戦略の新たなイニシアチブ

Karliczek: Neue Initiativen in der Nationalen Dekade gegen Krebs

本文:

「世界がんデー」に当たり、カルリチェク大臣が開始後1年を迎えるがん研究戦略(National Dekade gegen Krebs)について語り、これについてドイツ連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。

ガン研究戦略によって、ドイツで初めてがん研究、研究助成、保健分野、経済界、および市民社会の主要関係者が強力なアライアンスで結ばれている。特に患者が中心となり関与することで、国際的な環境の点でも、ドイツ全体の取り組みを特徴づけている。

この1年間で既に、重要なプログラムを軌道にのせることに成功した。同戦略の下で実施される活動のために、がん研究の中心的課題と取り組む3つの高位のワーキング・グループ(WG)を創設した。これらのWGから最初の提言が出されており、BMBFは既に行動を開始している。

  • がん疾病の予防、診断、処置といった臨床のレベルを大幅に改善するための研究を最大6,200万ユーロで助成している。計画および実施において、患者代表が密に関与している。
  • 国立腫瘍研究センター(NCT)を新たな4拠点にまで拡大し、がん研究体制を拡充していく。現在公募が進行中であり、夏には国際的な審査委員会による選考プロセスが行われる。
  • 「全員が専門家(Xperte)」をモットーに、大規模なオンラインでの公開討論を実施し、大きな反響を得ている。約3,000人の市民、医師、研究者、さらには高い関心をもった市民が、がん研究テーマに関する意見や提案を提供した。結果は現在評価中であり、引き続き戦略の活動に組み込まれる。

2年目に入り、がん研究戦略は取り組みを引き続き強化する。3つのワーキング・グループによって出された勧告から生まれた新たな助成プログラムを出す。また活動を欧州レベルにまで拡張する。」

背景:

ドイツでは毎年50万人のがん患者が出ている。専門家によると、2030年までに新たな疾病の増加に伴い、年間約60万人に増加すると予想されている。

がん研究戦略はドイツがん研究分野の中心的人物を結束させ、BMBF、ドイツがん研究センター(DKFZ)、ドイツ血液学・腫瘍学会(DGHO)、さらに患者代表の2組織が参加している。これに他の活動機関が加わり、全体で戦略委員会を形成する。合計17のパートナー機関を包括し、牽引車としての機能を果たす。

3つの高位ワーキング・グループは主要な研究課題を定義し、課題解決のための戦略を打ち出す。「がん研究の未解決問題」WGは、がん研究の最重要課題を定め、活動の進行計画を作成する。「予防」WGは、がんを有効に防止するための戦略と構想を練る。「研究と介護のネットワーク化によって知見を生み出す」WGは、がん研究および介護の相互学習のプロセスを最適化するコンセプトを作成する。

同時にドイツにおける全ての社会的グループは、同戦略に加わり、独自の活動によって参加するよう要請されている。

[DW編集局]