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- 国・地域名:
- ドイツ
- 元記事の言語:
- ドイツ語
- 公開機関:
- ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
- 元記事公開日:
- 2020/02/05
- 抄訳記事公開日:
- 2020/04/01
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未来クラスター・イニシアチブ16の提案を選考
Das sind die Finalisten im Wettbewerb um die Innovationsnetzwerke der Zukunf
- 本文:
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ドイツ連邦教育研究省(BMBF)による新しいクラスタープログラム、未来クラスター・イニシアチブのプレ採択審査「Clusters4Future」が行われ、16クラスターが選考された。これに関してBMBFは概略下記のような報道発表を行った。
研究・産業拠点としてのドイツはイノベーション力で繁栄している、いわゆるクラスターと呼ばれる地域的ネットワークのイノベーション力が支えている。未来クラスター・イニシアチブのコンセプト構築フェーズには137提案の申請があり、審査委員会はこの中から16の提案を選考した。これに関してカルリチェクBMBF大臣は次のように語った:
「ドイツの経済的な繁栄はイノベーション力を基盤としている。国際競争で生き残るためにはイノベーション力を強化していかなければならない。力のある地域こそが成長の基盤であり、人々の生活で科学的進歩を感じ取れるようにするための鍵である。
特に強いのは、さまざまなステークホルダーによる多彩な強みを相互に結びつけるイノベーションネットワークを有する地域である。こうしたクラスターをさらに増やし、最高のアイデアを求めるコンペティションを企画した。反響は我々の予想をこえるもので、全国から137のアイデアが寄せられた。ハイレベル専門家からなる審査委員会が傑出した16の提案を推薦した。これらが東西の10連邦州から寄せられたことは、ドイツ全土にイノベーション力があることを証明している。今回採択されたクラスターのテーマは多様で、水素、量子技術、がん研究、持続的モビリティ等重要な未来テーマが含まれている。
未来クラスターから未来のイノベーションネットワークが生まれ、新たなイノベーションフィールドを切り開く可能性がそこにある。重要なのは、現代の最も緊急な重要課題に関する有効な解決策を見出すことである。イノベーション拠点ドイツを強化し、未来に対し確実に備えさせることになる。6ヶ月間のコンセプト構築期間でどのようなアイデアが期待を満たしてくれるのか、大いに関心をよせている。最大7つの未来クラスターを選考し、それぞれ年間最大500万ユーロで助成していく」。
研究から得られたイノベーションの芽をより速やかに具体的な応用へと移転することがBMBFの中心的目標の一つである。これが大きく成功するのは、大学、研究機関、企業、社会的およびその他の重要なステークホルダーがイノベーションネットワークを効果的に形成してまとまり、最適な協力がなされる時である。
採択された16のアイデアは次の通り(アルファベット順)。
- 6G未来クラスター - ドレスデン地域における第6世代ワイヤレス情報通信のための研究イノベーション協力プラットフォーム(ドレスデン工科大学)
- AMBER - 積層造形法クラスター ベルリン・ブランデンブルク(統括: ベルリン工科大学)
- CAPT -環境に優しい自動運転公共交通機関 (統括:キール大学)
- CCAA ― 健康で元気なエイジングのためのケルン・クラスター(統括:ケルン大学)
- MCube – メトロポリタン地域におけるモビリティの未来に関するミュンヘン・クラスター(統括:ミュンヘン工科大学)
- NeuroSys – 自立システムのための神経形態学的なハードウェア(統括: アーヘン工科大学)
- OTC Rostock ― 海洋技術ロストック・キャンパス(統括:ロストック大学)
- PERCELLUM - 個別化された細胞治療ミュンヘン(統括:ミュンヘン大学病院)
- PROXIDRUGS - ひとの疾病に関する革新的処置(統括:フランクフルト大学)
- QSens ― 量子センサー(統括:シュトゥットガルト大学)
- SaxoCell ― 「生きた医薬品」のための精密セラピークラスター(統括:ドレスデン工科大学)
- smart4Life ― 生活のためのスマート材料およびエレクトロニクス (統括: ドレスデン工科大学)
- Tech2Med ― 新薬のための破壊的なレントゲン技術(統括: DESY)
- Tools4Life ― (バイオ)医薬品産業、診断、研究ブランチのための工具および方法(統括: レーザー研究所ゲッティンゲン)
- 水素 ― 水素の製造、貯蔵、利用のためのイノベーションエコシステム(統括: アーヘン工科大学)
- WISDOM4E ― 持続的可能な電気化学的エネルギー貯蔵および変換に関する複合材料およびシステムの知識ベースによるデザイン(統括: ドゥイスブルク・エッセ合大学)
連邦政府の長年のクラスター政策の経験から、地域的イノベーションネットワークは世界的レベルのイノベーション拠点としてドイツを多元的に強化し、人々の生活の質を持続的に向上させている。重要なのはイノベーションプロセスを早期に軌道に乗せ、優れた研究成果の移転を効率的に成功させることである。新世代の地域的イノベーションネットワークとしての未来クラスターは、創造性と新たな形の協力によって地域のポテンシャルと知をつなぐことが期待されている。広く自由なイノベーション、大胆なビジネスモデル、創造経済的な先駆的問題解決などによって可能となるだろう。
連邦政府は今後10年間に未来クラスター・イニシアチブに4億5,000万ユーロを投入する計画である。2021年から、1クラスター当たり年額最高500万ユーロの助成金を予定している。最高7つの未来クラスター採択には、最高25万ユーロの助成金による6ヶ月のコンセプト構築フェーズが先行する。採択された16のクラスターは半年間で「クラスター戦略」および実現に必要な第一実行フェーズのプロジェクト案を作成する。コンセプト構築フェーズで作成された戦略は再び審査委員会によって評価される。委員会の意見を基に2021年初頭までに7つの未来クラスターが決まる。
[DW編集局]