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- 国・地域名:
- 中国
- 元記事の言語:
- 中国語
- 公開機関:
- 新華網
- 元記事公開日:
- 2020/02/13
- 抄訳記事公開日:
- 2020/04/02
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中国、量子中継とネットワーク技術において新たな進展
- 本文:
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潘建偉中国科学技術大学教授等が率いる研究チームは、延長50 kmの光ファイバーで繋げた2台の量子記憶措置の間で量子もつれを実現し、量子中継によって量子ネットワークを築くことを可能にするという。同成果は2月12日に発刊した「ネイチャー」誌に掲載されている。新華社が伝えた。以下にその概要をまとめる。
当面学術界で広く採られている衛星に基づく自由空間のチャンネルを通じて広域をカバーし、そして光ファイバーによって都市内及び都市間の通信を実現する量子通信ネットワークの構想では、光ファイバーによるフォントの伝送が光ファイバーの固有減衰に制約され、ピアトゥピアの地上安全通信は、百kmレベルにとどまっているという。
同研究チームはこれに対し、上述した構想のピアトゥピア伝送を、全通信線路を多段に分け、量子中継器を用いて段と段を繋げて伝送する手法を取った。なお、光と原子のもつれの輝度が低い等の技術的課題に制約され、既存の光ファイバーによる量子中継が最長でもkmレベルしかないという課題に対して、周期的に分極したニオブ酸リチウムを開発し、非線形差周波発赤を通じて記憶措置の光波長を近赤外線からから通信周波数帯へ調整する等のトライを行った。これによって、延長50キロメートルの光ファイバーの減衰を百分の一までにおさえ、効率を従前より16桁あげることになった。また、実験において、延長50kmの光ファイバーで繋げられた量子記憶措置の間に、デュアルノード(dual-node)量子もつれを実現した。潘教授によると、本実験は同じ実験室に置かれた2台の量子記憶措置を50 kmの光ファイバーで接続した原理的検証であり、次は実の空間に分かれたシステム間での研究へ進み、同技術の実装を推進していきたいと述べた。
同研究は、中国科学技術大学、済南量子技術研究院と中国科学院上海マイクロシステム・情報技術研究所との共同で進められている。 〔DW編集局〕*本記事は科学技術振興機構北京事務所の協力を得て作成された。