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- 国・地域名:
- 米国
- 元記事の言語:
- 英語
- 公開機関:
- 教育省(ED)
- 元記事公開日:
- 2020/02/12
- 抄訳記事公開日:
- 2020/04/07
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教育省がアイビーリーグ大学の外国からの寄付の授受につき調査を開始
- 本文:
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2020年2月12日付、教育省による標記記事の概要は次のとおりである。
教育省(ED)はハーバード大学とエール大学に対し、外国から数億ドルにのぼる寄付の受領や契約の締結について報告しなかった疑いで調査を開始した。
エール大学が過去4年間に渡る外国からの寄付や契約を意図的に報告せず、少なくとも3億7,500万ドルの報告漏れがある疑いが最近浮上した。ハーバード大学の化学・化学生物学部の教授が中国政府の「千人計画」(Thousand Talents Plan)への関与について虚偽の説明を行い、また大学が多額の寄付の効果的な監督・追跡に関して適切な管理をしていないことを認めて、告発されたこともあり、教育省はハーバード大学が海外からの資金について適切な管理ができておらず、法律で要求される外国からの贈答品や契約について、完全な報告をしていなかったことに懸念を示している。法的には米国の大学は年に2度、25万ドルを超える外国からの寄付や外国との契約を報告し、その資金源を明らかにする義務がある。
教育省の1990年以降の記録によれば、米国の大学はカタール、中国、サウジアラビア、アラブ首長国連邦から66億ドルを超える寄付を受けているが、これでも少なく見積もられていると報告している。
2019年の上院の報告によると、米国大学の約70%は中国孔子学院から25万ドル以上を受け取っているが、教育省に適切に報告していない。2012年1月から2018年6月までに、15の米国の大学が1,547万ドルを直接中国孔子院から受け取ったと報告している。しかし、上院常設調査委員会が100の米国の大学を調査したところ、中国孔子院から直接受け取った金額は1億1,343万ドルと, 報告された金額の7倍以上にも及んでいる。米国の約6,000の大学のうち、外国からの資金の受領について毎年報告している大学は300以下である。データから、ほとんどの外国資金は50の主要大学に流れていると思われる。
[DW編集局+JSTワシントン事務所]