[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2020/02/19
抄訳記事公開日:
2020/04/13

シュトゥットガルト大学のスーパーコンピュータHawk落成式

Supercomputer „Hawk“ eingeweiht

本文:

2月19日シュトゥットガルト大学高性能計算センター(HLRS)においてヒューレット・パッカード社製の新しいスーパーコンピュータHawkが稼働を開始した。Hawkは世界で最も高性能なスーパーコンピュータの一つである。落成式はマイスター連邦教育研究省政務次官およびバーデンヴュルテンベルク(BW)州クレンチマン首相、同バウアー科学研究芸術大臣並びにシュトゥットガルト大学レッセル学長の隣席のもとで行われた。

マイスター政務次官談:「Hawkのようなコンピュータは科学や経済分野における最高の研究ツールであり、優れた科学およびイノベーションを可能にする。スーパーコンピュータはデジタル時代における技術主権のための重要な貢献をなすものである。技術主権とは、科学および経済における最高水準のシステムおよび応用を独自に開発できる能力を意味する。トップレベルの研究機関と世界的な企業が相互に協力することで可能になる。シュトゥットガルトのHawkはこのことを明確に示している。データセンターと製造メーカーの密な連携なくしてこのレベルのシステムの開発は不可能だからである」。

バウアー科学大臣談:「高性能計算というテーマは急速な発展の代名詞となっている。スーパーコンピュータは、性能が向上するに伴い、先端研究はもとより、産業の基幹領域における革新的な製品およびプロセスにとっても、極めて重要である。BW州はスーパーコンピュータに関して欧州全体のリーダーであり、国際的にも競争力を持っている。シュトゥットガルト大学の一部としてのHLRSは、重要な役割を担う。それはスーパーコンピュータの素晴らしい計算能力だけでなく、ここでの集約された方法論的知識が、コンピュータを用いた先端研究が驚異的な研究成果を達成することの助けになることが期待されるからだ」。

レッセル学長談:「Hawkによって、優れたシュトゥットガルト大学の研究インフラにさらなるフラッグシップが加わることになる。シミュレーションやビッグデータ解析が重要な役割を果たすあらゆる場面で、科学的および産業的な先端研究が可能となる。新高性能計算機はシュトゥットガルト大学ビジョン「持続可能な社会のためのスマート・システム」の実現に重要な貢献を果たす」。

背景:

Hawkは高性能計算に関するドイツおよびBW州の戦略の中心的要素であり、その稼働によりドイツとBWにとって科学、特に工学のデジタル化という観点で新たな時代が始まる。従来機のHazel Henの3.5倍の性能によりHawkは新たな科学的、産業的な利用分野を切り開く。

Hawkは、風力タービンのエネルギー効率最適化、エンジンおよび発電所の最適化、あるいは飛行機や自動車の空気力学的改善等への利用が挙げられる。Hawk によって初めて、飛行機一機全体の騒音発生を詳細にシュミレーションすることができるといわれ、他にもグローバルな重要課題の克服についても貢献が期待されている。地域とグローバルな気候の間の複雑な相互作用の調査を可能にし、病原菌がどのように世界に蔓延するのかをより大規模かつ正確にシミュレーションすることができる。

Hawkの資金総額は3,800万ユーロであるが、50%をBW州が州の戦略、「高性能コンピューティングおよびデータ集約型コンピューティング」、の枠組の中で負担する。もう50%は連邦教育研究省(BMBF)が連邦政府の高性能計算機インフラ整備の一環として、ガウス・スーパーコンピュティング・センターのスーパーコンピューティング・リソーセスの継続的な利用を確保し調整するためのプロジェクト(SiVeGCS)で負担する。

[DW編集局]