[本文]

国・地域名:
中国
元記事の言語:
中国語
公開機関:
教育部
元記事公開日:
2020/02/21
抄訳記事公開日:
2020/04/16

教育部等、大学発の特許の質向上と実施促進に資する新しい施策を実施

教育部、国家知识产权局、科技部发布《关于提升高等学校专利质量 促进转化运用的若干意见

本文:

中国の大学発の特許が抱える「量を重んじ質を軽んずる」、「出願を重んじ応用を軽んずる」等の課題を是正すべく、教育部、国家知的財産権局と科学技術部はこの頃、「大学発の特許の質を上げ、移転応用を促進することに関する若干の意見」(以下、「意見」という)を発表した。以下にその要旨をまとめる。
「意見」は特許の扱いについて、質を優先する、転化志向を重視する、政策的に指導するという3つの原則を掲げたほか、2022年までに、特許のガイドラインとラインアップ、特許出願・保護、特許移転応用等を含む大学知的財産権全過程管理システムの充実化および大学におけるイノベーションシステム、技術移転システムとの有機的な統合を実現する、2025年までに、一部の大学で特許の権利取得率と実施率が世界一流レベルに達するよう目標を定めた。
 今後、大学の特許事業において、以下の重要な業務を進めるよう求めた。
1.知財権管理システムの整備
 1)知財権に関わる調整体制を充実させる。
 2)ビックプロジェクトの知財権管理工程を確立する。
 3)職務としての研究により得られた成果を公開する制度を順次、整備していく。
2.特許の出願前評価の実施
 4)特許出願前評価制度をつくる。
 5)権利の帰属と費用分担を明確にする。
3.専門機構と人材の育成強化
 6)技術移転と知財権運営の機構育成を強化する。
 7)専門的人材の育成を加速させる。
 8)知財権管理・運営ファンドを設立する。
4.政策制度システムの改善
 9)人材評価・募集システムを充実させる。
 10)特許支援・奨励政策の最適化を進める。

このほか、当該事業の実施にあたって、①教育部、国家知財権局、科学技術部が定期的に連絡するメカニズムを設立し、大学発特許の出願、特許権の取得、移転等に関してタイムリーに研究する、②一流大学と一流学科の建設に対する動態観測・パフォーマンス評価において、特許の移転等技術移転の効果を重要な指標として導入する、③大学発の特許に関する許可、譲渡、値踏みによる株式加入、企業と帰属権共有等は、毎年3月までに国家知財権局システムに登録し、これに基づいて、教育部と国家知財権局が年ごとに大学発特許の実施実績を公表するとともに、特許の取引について追跡する、④特許の移転率を上げるべく、大学による特許の許可方式の改善を支持し、特許権を取得して3年以内に正当な理由なく実施できなかった特許を、国家知財権局が運営するシステムを通じて、一定期間、第三者が自由に使用できるようにするといった知財の実施を促進するための措置も講じられる。

〔DW編集局〕*本記事は科学技術振興機構北京事務所の協力を得て作成された。