[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
元記事公開日:
2020/02/28
抄訳記事公開日:
2020/04/23

NASEMが今後75年間の研究の未来に関するシンポジウムを開催

Charting the Next 75 Years of Science: Symposium Gathers Policymakers, Scientists to Envision the Future of Research

本文:

2020年2月28日付けの全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)による記事の概要は次のとおりである。

2月26日、NASEMは議会、連邦機関、大学、産業界のリーダーを招集し、国家の新たなニーズと将来の課題について対処するための、今後75年間の科学の在り方について議論した。本シンポジウムは、米国初の大統領科学顧問ヴァネバー・ブッシュ(Vannevar Bush)が書いた「科学:終わりなきフロンティア」の75周年を記念するものである。

全米科学アカデミー(NAS)会長マルシア・マクナット(Marcia McNutt)は「『科学:終わりなきフロンティア』が書かれたころと比べて、今日行われている科学ははるかに国際的で、協力的であり、学際的であり、新しく高額な施設からのデータや観測に依存し、経済的繁栄にとって重要であり、社会的変化の推進力となりうる大きな存在になっている。」とあいさつした。上院議員クリス・ヴァン・ホレン(Chris Van Hollen)は、世界の研究開発費に占める米国のシェアが2000年の40%近くから2017年には28%に低下したことに注目し、「米国の技術的な優位性を維持するための戦略が整っていないため、自動運転車、人工知能、量子コンピューティングなどの分野で遅れをとるリスクがある」と警告した。

大統領府科学技術政策局(OSTP)局長ケルビン・ドログマイヤー(Kelvin Droegemeier)は、50年先の科学技術の方向性を見据えたOSTPの取組みを説明した。これ以外にも終日、複数のパネルが、一般市民との科学の関与、研究に対する慈善活動と民間資金の役割の拡大、政府と大学間の研究プロジェクトの進化、今後75年間の可能な方向性に関する議論が行われた。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]