[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2020/03/26
抄訳記事公開日:
2020/05/12

新型コロナに対する戦いで大学医学研究のナショナル・ネットワーク構築を推進

Karliczek: Wir fördern Nationales Netzwerk der Universitätsmedizin im Kampf gegen Covid-19

本文:

ドイツ連邦教育研究省(BMBF)はこのたび新型コロナ感染拡大に関する大学の医学研究活動を結束し、強化するための研究ネットワークを構築することになり、概略下記のような報道発表を行った。

BMBFの同イニシアチブはベルリン大学付属病院(シャリテ)の理事長であるクローマー教授(Prof. Heyo Kroemer)および同じくシャリテのウイルス学部長ドロステン教授(Prof. Christian Drosten)によるもの。これに関してカルリチェク大臣は次のように発言した。:

「このイニシアチブは新型コロナ肺炎パンデミックの克服と多数の重症患者の処置において非常に重要な基幹的な役割を果たすものである。この非常事態において、患者に最高レベルのケアを提供し、同時に医療関係者を保護するため、非常に効果的なアイデアおよびコンセプトを必要としている。

ドイツの大学病院は、コンセプトを実施展開するにあたって最高の条件をそなえている。大学病院の専門的知見や蓄積された知識をより強力に利用していきたい。シャリテはこのネットワークの調整役を担うことになる。

計画内容は以下の通り:

ドイツ国内にあるすべての大学病院の計画や診断および治療の戦略等を出来る限り統括し、評価することを目的とする。新型コロナウイルスに関する疫学は我々にとって未知の挑戦的な課題であるから、大学病院が相互に学習しあうことを目標とする。

その結果、大学病院において、新型コロナ感染患者に出来得る限り最適のケアを確保する体制およびプロセスを構築する。

将来的には全ての大学病院において治療したCOVID-19患者のデータを体系的に把握し、データバンクに纏める。

このデータ収集に関しては、医学研究には携わらない科学者が付加的に加わることができ、その研究によって医師の研究を側面支援する。幅広いデータのおかげで適切で確実な、非常に利用価値のある知見を得ることが出来る。これらの知見は患者の個人的な治療、パンデミックマネジメント、さらにはまたワクチンおよび治療法の開発に資することが期待されている。

併せて、ナショナル・タスク・フォースが設けられることになる。連邦政府はこれに関して積極的に参画していく。このタスク・フォースは大学医学と政治の間の調整と舵取りに役立つものである。また各種の科学関係ネットワークもこれに関与させていく予定である。この科学と政治の良好な関係をこうしてさらに密接なものにしていきたい。

この類を見ない科学的なプロジェクト、即ち、様々な力の結集は我々をCOVID-19の治療および研究において大きく前進させてくれるに違いない、と私は確信する。

クローマー教授およびドロステン教授、お二人のイニシアチブに感謝し、大きな成果を祈念する」。

[DW編集局]