[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2020/03/27
抄訳記事公開日:
2020/05/14

連邦政府が新型コロナウイルス危機の中でオンライン学習インフラを支援

Karliczek: Bund unterstützt in Krise mit digitaler Lerninfrastruktur

本文:

ドイツ連邦教育研究省(BMBF)はハッソ・プラットナー研究所(HPI: Hasso-Plattner-Institute)のスクールクラウド(School-Cloud」を全校に向けて大きく拡充することとし、これに関して概略下記のような報道発表を行った。

連邦教育研究省(BMBF)は、州や当局のサービスを利用できない全ての学校のためHPIのSchool-Cloudを開放する。これに関してカルリチェク大臣は次のように発言した。:

「学校閉鎖のこの数週間、授業が少なくとも部分的にでも行われるように、全てのリソースを動員しなければならない。多くの学校と教師がこのため既に非常な熱意を注ぎ解決策を見出してきた。もし他のオンラインサービスを利用できない学校があれば、連邦政府によって助成されたSchool Cloudを、関心を持つあらゆる学校が直ちに利用出来るようにする。家でも利用できるオンライン教育・学習は現在本当に有益なものである。多くの教師たちは遠距離でもその教材を届けるためのインフラを必要としている。HPIのSchool-Cloudはオンライン学習インフラとして定着しており、既に多くの高等学校で、いわゆるSTEM科目(数学、IT,自然科学、工学)に重点に置き利用されている。パイロット事業として採用しているのは現在、ニーダーザクセン、ブランデンブルク、チューリンゲンの各州で、これにザクセン・アンハルトが加わる。

School-Cloudは多様な利用可能性を持つもので、教師は自然科学の実験を行えるだけでなく、教材にアクセスできるし、生徒たちはいつでも何度でも教材にアクセス出来る。また複数人数、例えばチームでの活動も可能であり、生徒は共同で課題を解くこともできる。これは現在の家庭での学習の状況において「デジタル学級ネットワーク」とも言えるようなものを創り出すことができる。

BMBFが助成するSchool-Cloudは特に、現時点で独自のクラウドソリューションを利用できない学校向けのものである。学校やオンライン教育内容等を所管する州政府にとって問題であることは言うまでもないが、これまで考えることも出来なかった緊急事態における学校のための緊急援助である。そのため、オンライン授業は新型コロナによる学校閉鎖が続く期間に制限される。連邦政府はこれに伴い、重要課題に直面する教師たちを支援し、また同じく生徒を助けるためにできる限りのことをしていく所存である。その一つ非常に重要な点は、School-Cloudはあくまで実際の学校での授業を補うものに過ぎない、ということである。休講に完全に代わるものでなく、また家庭学習における負担から両親を開放するものでもない。

州政府に対し、多くの場所で存在する、在宅学童のためのオンライン授業における障害を早急に排除するため学校デジタル協定からの資金を引き出すよう働きかけた。この連邦政府の資金を現在必要なITインフラを支援するために州政府に割り当てた。

背景:

2016年からBMBFは研究プロジェクトSchool-CloudをポツダムのHPIに対し助成している。School-Cloudは生徒と教師がオンライン教育・学習コンテンツを学校および科目横断的に常時利用できるものである。

現在ドイツ国内外の128のMINT-EC学校(いわゆるSTEM科目に重点を置く高等学校)でHPIのSchool-Cloudを利用できる。その他には、ニーダーザクセン州、ブランデンブルク州、チューリンゲン州がSTEM強化校に限らない教育現場で採用し、検証されている。この3地域にザクセン・アンハルト州を加え、・学校デジタル協定による支援の一環として、パイロットプロジェクトとして展開されている。また、個々の学校において複数のパイロットプロジェクトが現在進められている。

School-Cloudを大規模に展開するための条件は既に整っている。そのシステムは迅速に利用でき、ユニット単位で学校の様々なニーズに対応できる。

[DW編集局]