[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2020/03/17
抄訳記事公開日:
2020/05/18

経済および社会に役立つ気象予報の改善

Karliczek: Bessere Klimaprognosen nützen Wirtschaft und Gesellschaft

本文:

今後数年の気象に関する新たな予報システムが開発された。これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。

ドイツの研究者たちが今後数年間の気象のための新たな予報システムを開発した。助成プログラムMiKlip(中期気象予報)によって、最大10年間の気象を予報できるモデルシステムが開発された。これは人災による気象変動はもとより、天災のバリエーションも考慮される。カルリチェク大臣はこれに関して次のように語った。

「激しい気候現象が発生する時代にあって、ドイツでは多くのセクターが気象予報の改善を願っている。農業や観光業ツーリズム等が良い例で、ワイナリーは、今後10年間に気象がどのように変化するかを知らなければならない。

これからは、新しい気象予報システムにより、より信頼性の高い予報が出され、経済だけでなく社会全体に、季節的な変動に対して適切に対応する可能性をもたらしてくれるからである。

BMBFは気象研究のこの重要な研究を約3,500万ユーロで支援した。気象変動をストップさせ、同時にまたこれまでの地球温暖化の影響についても取り組んでいかなければならない」。

背景:

ドイツ気象庁(DWD)は新システムに基づいた初の予報を本日(3月17日)に発表した。気象は人間が生み出した数々の要因により、温暖化も多様化している。

自然の変動は年により異なるが、ドイツでは既に、寒く雪の多い冬と湿った余り寒くない冬とが交互に訪れるのが常となっている。新たな気象予報は、急激に進む気候温暖化を背景とする毎年の変動をより正確に予測することができる。

そのためにはリアルタイムに大気の状況を観察することによって天気を予報することを起点に新しいシステムを開発しなければならなかった。そこでの課題は、その時の天気だけでなく、大気の状態のみでなく、その時々の気象をも観察するという点にある。気象システムには大気のほか、海洋、北極、および大陸の氷の量も含まれる。完全な気象システムの状態を把握し、グローバルな地球システムモデルに統合することが研究者の大きな課題であった。

これが8年間の研究の後に達成され、ようやくこのシステムがドイツ気象庁により定期的に運用され、中期的気象予報やその他の研究活動にも利用できることになった。

開発にはマックスプランク協会およびヘルムホルツ協会の各研究所、大学、連邦海上交通水路庁並びにドイツ気象庁が参加している。

[DW編集局]