[本文]

国・地域名:
ドイツ
元記事の言語:
ドイツ語
公開機関:
ドイツ連邦教育研究省(BMBF)
元記事公開日:
2020/04/02
抄訳記事公開日:
2020/05/26

COVID-19パンデミック下でがん患者の治療を確保する新たなタスクフォースが発足

Karliczek: Neue Task-Force will Behandlung von Krebspatienten trotz Corona-Pandemie sichern

本文:

がん研究戦略(National Dekade gegen Krebs)にタスクフォースを結成することとなり、これに関して連邦教育研究省(BMBF)は概略下記のような報道発表を行った。

ドイツがん研究センター(DKFZ)、ドイツがん支援財団、ドイツがん協会が、COVID-19パンデミック下においてがん患者からの相談や患者に対するケアを確保するため、タスクフォースを結成した。

これに関してカルリチェク大臣は次のように発言した:

「新型コロナ感染拡大時においても、重篤ながん疾患のように生命を脅かす疾病の治療は維持されなければならない。DKFZ、ドイツがん支援財団、ドイツがん協会のイニシアチブを歓迎するものである。重病を患う多くの患者は、このような時でも良質の治療を受けられるか心配している。

上記3機関はネットワークを利用し、患者に情報と助言を提供していく。このタスクホースは、がん患者に必要な診断や治療が確保されているかどうか、状況をモニターしていく。今、患者の治療や看護ができる限り良好に維持されるよう、関係者や関係機関が至るところで責任を果たしている。

がん研究戦略では、迅速かつ連携しながら患者のために対応出来るパートナーを結集している。重病患者の治療を確保しながら、パンデミックと闘うことはドイツの保健システムにとって非常に重要な課題である。患者や人々の健康を維持するために病院や診療所等で献身的に働く全ての方々に感謝の意を表したい」。

背景:

がん疾患を抱える多くの人々は、COVID-19感染拡大による保健システムへの高い負荷に直面し、彼らの治療の質について憂慮している。ドイツがん研究センター(DKFZ)、ドイツがん支援財団、ドイツがん協会の共同タスクフォースは現在、大学のがんセンター、認可を受けた腫瘍センター、がん情報サービス機関、その他機関とのネットワークを組込み、早期警戒システムを構築している。これによって、ドイツにおける最新の状況を体系的かつ定期的に評価することができる。治療や看護の質低下の兆候があった場合、行政に速やかに通知し、COVID-19に焦点を当てるあまり、がん患者が窮状に陥ることのないようにする。

がんは依然として現代医学にとって最大の重要課題の一つである。ドイツだけでも毎日約1,400人ががんを発病する。今後20年には世界のがん新患者数が倍増し、同時に多くの人々がその病と共に長年生きることになる。

このため2019年BMBFは連邦保健省(BMG)やその他の関係機関と共に10年に及ぶイニシアチブ「がん研究戦略」を設けた。目標は、ドイツの総力を動員し、がんに対して適切かつ効率的に戦う、というものである。

[DW編集局]