[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
国立科学財団(NSF)
元記事公開日:
2020/03/02
抄訳記事公開日:
2020/05/28

NSFが新しい研究セキュリティ責任者の役職を新設

NSF creates new research security chief position

本文:

2020年3月2日付の国立科学財団(NSF)による標記発表の概要は以下のとおりである。

NSFは、オープンな国際協力を維持しながら、連邦政府の資金提供を受けている研究の安全を確保するための継続的な取り組みの一環として、新たに設立された主席研究セキュリティ戦略・政策官にレベッカ・S・カイザー氏(Rebecca Spyke Keizer)を任命した。

カイザー氏はNSF長官に研究セキュリティ戦略のあらゆる側面に関する政策助言を提供する役割を担う。同氏はまた、研究セキュリティを改善するための戦略を開発・実施するNSFの取り組みと、他の連邦政府機関およびホワイトハウスとの調整を管轄する。
NSFは、昨年12月に発表された研究報告書「基盤研究の安全保障」(Fundamental Research Security)の中で、独立科学諮問グループ「JASON」がNSFに提示した推奨事項への対応の一環として、この役職を設けた。

カイザー氏は2015年からNSFの国際科学工学室(OISE)の室長を務め、NSFの国際戦略を統括し、米国の戦略的研究の関心を高める国際的なプログラムを管理している。同氏は、米国および国際的な研究コミュニティ、その他米国のセキュリティや諜報機関とも交流がある。同氏はNSFの国際的なセキュリティ活動のリーダーであり、情報共有、関係強化、および研究コミュニティとの信頼構築に依存するアプローチを提唱している。

NSFとその他の科学機関は、研究の安全性を保ちつつ、何十年にもわたり基礎研究のオープン性、透明性、相互国際協力の促進に取り組んできた。しかし、JASONレポートが指摘しているように、少数の政府グループ(特に中国)は、それらの価値を支持することなく、グローバルな研究エコシステムから利益を得ようとしている。米国の科学工学全体の利害関係者は、受益者に詐欺的行為を行わせ、資金的支援の透明性や開示などの研究規範を回避することを要求する外国人人材採用プログラムなどの新しい脅威に対して、適応するべく取り組んでいる。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]