[本文]

国・地域名:
米国
元記事の言語:
英語
公開機関:
全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)
元記事公開日:
2020/04/08
抄訳記事公開日:
2020/06/04

世界の科学・医学アカデミーがCOVID-19に対する国際協力の必要性を訴える共同声明を発表

The Critical Need for International Cooperation During Covid-19 Pandemic

本文:

2020年4月8日付の全米科学・工学・医学アカデミー(NASEM)による標記発表の概要は以下のとおりである。

G-7諸国を含む科学・医学アカデミーは、世界的なCOVID-19パンデミック対応における国際協力の緊急な必要性を強調する共同声明を発表した。

新型コロナウイルスが世界中に拡散し、感染者数と死亡者数が増加し続けているため、この急速に拡大する脅威と無縁である国や地域はほとんどない。 COVID-19の蔓延を抑え、新しい感染(者)を特定し、病気に対処し、死を防ぎ、社会的および経済的混乱を緩和させ、基本的な人間のニーズを満たすために、社会のあらゆるレベルで劇的かつ緊急の行動が行われている。迫り来る不確実性が残っており、多くのことがなされる必要がある。この危機において、G7諸国を含む世界中の科学・医学アカデミーがさまざまな方法で各々の国で活動している。しかし次のようないくつかの側面において、国際協力が緊急に極めて重要である。

  • 感染パターン、潜伏期間、致死率等の新型ウイルス性疾患の疫学的解明に関する迅速、正確、かつ透明な国際コミュニケーション
  • ウイルスやウイルスが引き起こす疾患の病態生理およびヒトの免疫学的反応等に関する詳細な科学情報のリアルタイムでの共有
  • 疾患に対処するための医薬品の研究開発に関する情報の共有
  • 信頼性の高い個人用防護用具、診断検査装置等の可用性を加速するために必要な規制、製造プロセス、品質基準の調整
  • 新たな懸念、個別プログラムや政策の問題について、迅速かつ証拠に基づいた分析を行うための共同作業
  • 一般市民や政策立案者のための一貫した証拠に基づくガイダンス、メッセージ、コミュニケーションの調整された作成

これらのすべての側面における国際協力と情報共有は、公衆衛生とヘルスケアのインフラが十分ではなく、病気がまだ完全に影響を与えておらず、社会的、経済的および衛生状態が病気の急激な蔓延に対して極端な脆弱性や対応能力の弱さを示す国と地域において特に重要である。このことは特に、アフリカ、アジア、ラテンアメリカなどの世界の発展途上地域や、大都市の脆弱な密集地域に言えることである。

共同声明は15のアカデミーにより発表されたもので、これらのアカデミーは
世界100か国以上の国が参加しているインターアカデミーパートナーシップ(IAP)のメンバーでもある。

[DW編集局+JSTワシントン事務所]